2016年9月29日 第40号
4点目が入り、笑顔で握手を求めるFW工藤(#9)、中央にMFデヨング(#33) 。セントラルFC戦(9月28日)
9月28日(BCプレース:17,038)
バンクーバー ホワイトキャップスFC 4 - 1 セントラル FC
CONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)主催の国別対抗戦・チャンピオンリーグで、トリニダード・トバゴ代表のセントラルFCに勝利し、1次リーグ4戦全勝で2次リーグへコマを進める。
ドーモ・アリガトー・ミスターロボット・ クドウ、クドウ♪
先発のFW工藤(#9)が、ゴールを決めるとサポーター席からの大合唱は、80年代に大ヒットしたStyx(スティクス)のMr.Robotoを掛け合わせた歌。後半49分、左サイドからMFデヨング(#33)のボールをMFテチェラ(#13)が繋ぎ、ゴール前に詰めていた工藤がゴール。
この日は前半から、ホワイトキャップスが押し気味に試合を進め11分にはFWペレス(#27)のゴール、22分にはMFテチェラ(#13)がPKを決め2ー0。 だが、前半終了間際にフリーキックから1点を入れられたので、工藤のゴールは貴重な1点となった。その後、70分にもテチェラがゴールを決め4ー1。シュート数もホワイトキャップスが16本に対し、セントラルFCは3本で、来年2月に行われる2次リーグへ、大いに期待が高まった一戦となった。
工藤とデヨングの連携
工藤が復帰したのと同じ頃、元カナダ代表でオンタリオ出身のデヨング(#33)が入団。ベテランのディフェンダーとして活躍が期待されたが、こちらもシーズン途中からということもあり、彼自身カラまわりしているように感じられた。
この試合、デヨングはディフェンスでなくミッドフィルダーとして起用される。国際試合の経験も豊かな彼は、試合全体をよく見ているようだった。
ハーフタイム後、ベンチからピッチへ向かう間、工藤とデヨングの二人は、真剣に手ぶりを交え長い間話をしていた。そして後半が始まると左サイドに展開したこの二人の連携が功を奏しはじめ、何度か得点チャンスを迎える。プレーが途切れる時間には、お互いポジションなどの確認をしているようでもあった。3点目の工藤のゴールもデヨングのパスが起点であったし、4点目のテチュラのゴールも、その直前に二人がパスを交し合い、デヨングのセンタリングに繋がった。試合後のインタビューで「4点目が入った後に、二人は楽しそうに話していましたが」の質問に、「デヨングが言うには、実はあのセンタリングはミスキックで…まあ結果OKでしょう、なんて話だったのです」と、工藤は笑いながら語ってくれた。シーズン終盤で、ようやく楽しくプレーができたことに満足しているようであった。
試合前、長年キャップスを追いかけているカメラマンとの話の中で出た言葉を引用させてもらうと、「MLS1年目の工藤は毎日学んでいる大事なとき。本人が(結果が出ずに)焦る気持ちも分からないわけでもないが、日々学び経験を積むことは(焦る気持ちも含めて)全てな大切なことだよ」。経験してきた成果が、ようやく結果として出てきたということだろう。残りの試合で工藤は、キャップスの一員として経験し得た結果をバンクーバーのファンに見せてくれることだろう。
9月28日(BCプレース:17,038)
バンクーバー ホワイトキャップスFC 4 - 1 セントラル FC
今シーズン何度か繰り返された、レッドカードで退場による1人少ない10人での戦い。再び、この悪いパターンとなり、結果1対2で敗れる。
プレーオフ進出を逃す
前半25分、MFペドロ(#77)がPKにより先制し、その後も何度か得点のチャンスがあったホワイトキャップス。そこでもう1点取っていれば流れはキャップスのものだったが、39分にシアトルのMFオロンゾ(#6)にゴールされ同点で前半を折り返す。後半53分、ペドロの肘がシアトル選手の顔面に当たり、レッドカードで退場。ひとり少なくなったキャップスは必死に防戦したが、79分にペナルティエリア内で、シュートをクリアーしようとスライディングをしたDFジョーダン(#2)の手にボールが当たり、ハンドの反則。PKをシアトルのキャプテンMFエバンス(#3)に決められ1点リードされる。その時点で残り時間は約10分、果敢に反撃をするが、あと1本が決まらずそのまま敗れ、残りの2試合に勝ってもポイントが足りず、プレーオフへの進出はなくなった。工藤はベンチ入りするも、出場の機会はなかった。
次のホームゲーム(今シーズン最終戦)
10月23日(日)1pm ポートランド・ティンバーズ戦
(取材 斉藤 光一)