在バンクーバー日本国総領事館総領事に今年4月就任した岡井朝子氏を囲んでの新総領事歓迎会が6月9日、バンクーバー市コースト・コール・ハーバー・ホテルで開催された。
日系関連約50団体、175人が参加。岡井新総領事と初めて会う参加者も多く、カナダ初の女性総領事との対面に、会場は終始和やかな雰囲気に包まれていた。 会に出席した日系文化センター元理事長林光男氏は「大勢来られて大変すばらしいと思います」と人々の歓迎ぶりに目を細めた。「世界各国女性の総領事って少ないでしょうからね」と、初の女性総領事就任に新鮮な印象を受けながら、コミュニティとのつながりを大事にしたいという気持ちが大きくてとても素晴らしいと思いますと歓迎した。
「こんなに大勢の方に来ていただいて胸いっぱいです」と岡井総領事
「身近で、話しやすい 総領事館を目指して」
バンクーバーの印象を「安全で、穏やかで、美しい町」と表現した。都会で、多様で、「すごく新鮮です。非常に楽しみです」と語った。前赴任地はスリランカ。気候も文化も政治も全く違うが、最も大きな違いは在留邦人の数。バンクーバー総領事館管轄は世界9番目に在留邦人が多く、長期滞在邦人ではロサンゼルスに続き世界2番目。そのため領事館へのニーズも他の地域とは変わってくるとの認識を語り、「総領事館として、総領事として、3つのゴールを設けました」と所信表明した。
1つ目はコミュニティのニーズに対応すること。長期滞在者が多いということは、それだけシニア世代、子供を持つ世帯、また日系カナダ人とのかかわりが大きいということ。そうした声をなるべく反映させたいと語った。
2つ目は、経済関係のさらなる強化のための支援をすること。すでにいい関係にあるが、まだまだできることがあり、天然資源、木材、農水産業といった従来の産業関係を基本にしながら新しい分野にも力を入れていくとした。そして3つ目は日本の魅力を発信していくこと。芸術、文化、教育、スポーツなどいろいろな分野で、日本の魅力を積極的にカナダに発信していきたいと意欲をみせた。
「総領事館は2年前に125周年を迎えました。この町での総領事としての仕事は、すごく楽しみでもあり、チャレンジでもあると思っています」と岡井総領事。「いろんなことを皆さんと一緒にできるということで楽しみにしております。とにかく、身近で、話しやすい総領事館を目指しています。みなさまのニーズに寄り添うこと。効果的に皆さんの活動をお手伝いしていきたいということ、一緒にやることで、より盛り上げることができるのではないかと、3つの目標を立てました」と語った。
着任から1カ月が経ち、「今後皆さんと協力して身近な総領事館になるように、ある程度の方向性が見えてきましたので、そのことを実現していきたいと思います」。そのためにも気軽に総領事館に足を運んで、いろいろな意見を聞かせてほしいと語った。
日系コミュニティとの関係も大切に
「日本からの移民がこの町に深く根付き貢献しているということを知り、この町の日系カナダ人の歴史にすごく感銘を受けました」と語った。バンクーバーが他の赴任地と違うのは、在留邦人が日系コミュニティと密接に関係している点だ。
着任してすでに1カ月以上が経ち、「日々発見と感心することしきりで」と岡井総領事。カナダには11万人の日系カナダ人がいるといわれているが、約5万人がブリティッシュ・コロンビア州にいるということを認識している。「その方々のニーズにも寄り添い、また、(日系カナダ人の人たちというのは)日本の潜在的なサポーターでもいらっしゃると思うので、そういった方達にも定期的にきちっと新しい日本の姿もお伝えして、ますます日本とカナダの架け橋になっていただきたいなって思っています」と語った。
総領事がフェイスブックを 立ち上げ
現在、総領事館はウェブサイトの他に公式のフェイスブック(www.facebook.com/JapanCons.vancouver)とツイッター(https://twitter.com/JapanCons_vanc)でも情報を発信している。ただ、まだまだフォロワーが少ないのだとか。そこで新総領事に就任したことをきっかけに自身が一念発起、イニシアティブを取る。「フェイスブックを立ち上げようと、今、格闘しているところです。こういうことを通じてより総領事館が身近に感じていただけるよう、努力していきますので、お知恵、お力お貸しいただけたらと思います」と語った。
フェイスブックは週に1回は更新する予定で、「できればみなさんフォローしてください」と笑った。
(取材 三島 直美)
和やかな表情で参加者と懇談する岡井総領事。総領事に一言あいさつしようと長蛇の列ができていた
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