2013年から3年2カ月にわたって在バンクーバー日本国総領事として当地に着任していた岡田誠司氏が日本へ帰国することになった。3月15日、日系文化センター・博物館で、離任レセプションが開催された。これは、在バンクーバー日本国総領事館が主催、日系コミュニティ諸団体の協力によるもの。会場には招待された300人に及ぶ参加者が集い、岡田総領事と寧子夫人との別れを惜しんだ。

 

レセプション閉会に際して挨拶をする在バンクーバー日本国総領事岡田誠司氏と寧子夫人

 

日系コミュニティとの深い交流

 レセプションは、大和奈緒美さんが司会進行を務め、リステルホテルの上遠野和彦副社長が開会の挨拶に立った。岡田総領事の当地での功績と日系コミュニティとの活発な交流に対し謝辞を述べた。続いて、ゴードン門田さんが日系コミュニティ諸団体を代表して、「歴代の総領事の中でも日系コミュニティとここまで心のこもった交流をしてくださった方は、岡田総領事が初めてだったと思います」と述べた。

 岡田総領事はスピーチの中で、当地での任務の間の日本とカナダとの経済、貿易、政治関係について振り返った。そして、国家間の良好な関係のためには市民レベルでの人と人のつながりと相互理解が大切であるという観点から、改めて当地の日系コミュニティの団結力の強さを称えた。2014年に総領事館が主催したフォーラム『二つの歩み』〜日本外交と日系人の遺産〜を開催するにあたって、岡田総領事自身もカナダにおける日系人の歴史を勉強する中で、日系人が通ってきた苦難の道があったからこそ現在の良好な日加関係があると強く感じたと述べた。「こうした日系人の苦難の歴史を決して忘れてはいけない」と語った。

 

楽しい和やかな雰囲気での送別会

 スピーチの後には、北の家Guuによる美味しい食事と、BC州日本酒協会12社が提供した日本酒がふるまわれ、参加者は歓談のひと時を楽しんだ。

 岡田総領事と当地のアーティストとの共演によるコンサートも大いに盛り上がった。ギタリストの中島有二郎さんと新屋宗一さんのピアノと岡田総領事の電子サックスのトリオでの演奏。そして、成谷百合子さんと小茂田和子さんの箏、山本篁風さんの尺八、新屋さんのピアノとサックスで『みずうみの詩』を演奏。最後は、長井明さんのバイオリン、ピアノ、サックスで、オペラ『タイース』から瞑想曲を披露した。ポピュラーミュージックから邦楽、クラシックまでジャンルもさまざまな演奏に参加者も楽しそうに聞き入っていた。

 会の終わりには、木曜会、BC州日本酒協会、桜楓会から名誉会員等の証書が岡田誠司総領事夫妻に贈られた。そして久保克己桜楓会会長が閉会の挨拶を行い会を締めくくった。        

(取材 大島多紀子 / 写真 斉藤 光一)

 

コンサートで岡田総領事と共演したアーティストの方々と有志の方々による「花は咲く」合唱(写真 大島 多紀子)

 

箏、尺八、電子サックス、ピアノの合奏。右から在バンクーバー日本国総領事岡田誠司氏、小茂田和子さん、成谷百合子さん、山本篁風さん。舞台下、ピアノ演奏は新屋宗一さん(写真 大島 多紀子)

 

BC州日本酒協会12社が提供した日本酒がふるまわれた

 

日系コミュニティ諸団体を代表して挨拶の言葉を述べたゴードン門田さん

 

開会の挨拶を述べた、リステルホテル・上遠野和彦副社長

 

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