1月16日、バンクーバー仏教会を会場にBC州和歌山県人会の年次総会と新年会が開かれた。参加した約70人は、日頃の親交を深め、元気に新年を迎えられる喜びを分かち合っていた。

 

和歌山県人会とリッチモンド市の強い絆を語るマルコム・ブロディリッチモンド市長(写真右)と4月に日本を訪問予定のビル・マックナルティ議員(左)

 

実り多き2015年を経て

 会は詩吟師範・村尾国畔さんによる詩吟の詠唱で開始。吟じたのは128年前にカナダに移住した工野儀兵衛氏をテーマに同会メンバーの平野政巳さんが書き下ろした詩である。そして登場したのが獅子舞。お囃子(はやし)に合わせてコミカルな動きも見せる獅子舞は、会場に新年の雰囲気を吹き込み、場を大いに盛り上げてくれた。 披露したのは毎年パウエル祭で神輿(みこし)をかつぐ楽一のメンバーだ。

 その後、在バンクーバー日本国総領事の代行として松田茂領事が挨拶。ユーモアも交えつつ、同会の発展を祈念するメッセージを贈った。続いて登壇したリッチモンド市長マルコム・ブロディ氏は同会が50周年を祝った2015年の活動に触れながら、ギャリーパークの桜、日系漁師像など、リッチモンド市の各所に見られるこれまでの功績を称えた。また今後については、カナダ建国150年を迎える2017年に帆船・海王丸をスティーブストンの港に招致する計画があり、その際の同会の人々の貢献に期待する旨を語った。

 市長が語ったように、2015年は同会の50周年を記念しての盛大な祝賀会の開催や50周年記念誌作成のほか、同会の長年の貢献を称えてリッチモンド市が制定した「B.C.州和歌山県人会の日(3月27日)」の指定・命名式と、特別な行事の多い年となった。

 

県人会の人々の絆

 松田領事の音頭で乾杯の後は、赤飯や黒豆など祝いの色合いを持たせた料理を味わいながらの歓談のひと時に。新年会参加の理由をMさんに尋ねると「ここに来ると自分の村(和歌山県美浜町三尾)の人がいっぱい」 とにっこり。そこに仲間の人から「この人(Mさん)、元気で病気したことない。薬も飲んだことない。『風邪もひきたい』って、ゆうとるけどね」と声がかかって笑いが起きた。同郷の親しみに加えて、長い付き合いの中で育った人間関係はかけがえのないものだろう。

 そんな家族的な関係を温め続けている同会らしく、司会役の上田隼人さんも、気さくにくだけたアドリブを交えて会を進行。こうしたリラックスした場の中で、熟年の味わいを見せるメンバーたちがカラオケを披露した。そして、最後は和歌山県の民謡『串本節』と『ふるさと』を歌って和やかに会を締めくくった。

(取材 平野香利)

 

新春ムードを盛り上げた楽一のメンバーによる獅子舞

 

新年会を楽しむサム・ヤマモトさん

 

松田領事が挨拶に立った

 

カラオケで『人生船』を歌う酒井登美子さん

 

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