春の生け花展
池坊、華道すみ、山月流、草月流合同展示会
5月23日、バンクーバー生け花協会(VIA)50周年記念『春の生け花展』が、バーナビーのアラン・エモット・センターで開かれた。 在バンクーバー日本国総領事、岡田誠司・寧子夫妻を主賓にVIA創始者がオープニングのリボンカットをし、訪れた人たちは約40点の作品を鑑賞した。
オープニング式典でのリボンカット。(左から)VIA会長のジュディー・グリックさん、岡田誠司総領事と寧子夫人。VIA創始者の角澪潮さん、ロレーン・ウエストさん、ボイコット清子さん
VIA創始者に感謝状
日系文化センター・博物館の並びに建つアラン・エモット・センター。冒頭でVIA会長のジュディー・グリックさんが「記念すべき50周年の展覧会を、歴史ある建物で岡田総領事、華道をなさる奥さまをお迎えしてお祝いすることは、とても光栄なことです」と述べ、創始者のボイコット清子さん、角澪潮さん、ロレーン・ウエストさんに感謝状が贈られた。
今回で3度めの出席となった岡田総領事は「いろいろなスタイルの生け花を楽しみにしております。天皇誕生レセプションでお花を生けていただくなど、海外で生け花の素晴らしさを広めておられる皆さんに感謝します」と祝辞を述べた。
「海外で生け花の素晴らしさを広めておられる皆さんに感謝します」と祝辞を述べた岡田誠司総領事。左はVIA会長のジュディー・グリックさん(草月流)
自然のものとの触れあい
オープニングのリボン・カット終了後はケーキが振る舞われ、訪れた人たちは展示を見てまわり、午後にはデモンストレーションも行われた。
岡田寧子夫人(小原流)は「いろいろな素材を用いて独創的に生けておられますね。基本的なものの中に、それぞれの感性を感じます」と感想を述べた。日本では小さなスペースに合わせた作品づくりのお稽古がなされていることなど、先生たちとの歓談が続いた。
「日本には5000以上の流派がありますが、基本的なものは同じです。自分でどんどん経験して、自然のものと触れ合ってもらいたいですね」と角澪潮さん(華道すみ)は話している。
各流派によるデモンストレーションほか、書道家の姫洲(きしゅう)さんによる書道紹介など、多くの人を楽しませた展覧会となった。
「立花(りっか)、生花(しょうか)だけでなく、こんなフリースタイルもあります」と展示された壁かけ用アレンジメントは池坊の作品
木の枝や斬新な形の花瓶を用いた草月流の作品
50周年のお祝いを意識して金のプレースマットを使い、あやめの葉に金色のスプレーをかけた山月流の作品
シーシェルトの森から採れたもみの木の皮に花を生けた華道すみの作品
(取材 ルイーズ阿久沢)