2017年5月18日 第20号
バンクーバー新報に20年以上掲載された、故、百々子・鈴木・パウルス師による人気コラムを、さらに加筆しながらヨガに関連した内容を連載しています。
■深い呼吸で健康をつくる!■〜「横隔膜」を意識する呼吸〜
バンクーバーに住んでいて幸運のひとつは「空気がおいしいこと」ではないでしょうか。気候がよくなり屋外ですごす時間も長くなってきたこの頃、もう一度「呼吸」を見なおし、新鮮な空気をいっぱい吸って健康をつくる方法を考えてみましょう。
以前、この欄でヨガの呼吸法(腹式呼吸)についてご紹介したことがありますが、今回は「横隔膜による呼吸」ともいわれる「深い呼吸(腹式呼吸)」を「横隔膜」にマトをしぼって見なおしてみたいと思います。
下図のように「横隔膜」とは肺と心臓をとり囲む胸郭の一部で、胸部(心臓・肺)と腹部(内臓)との間にある膜です。
本来、呼吸は意志とは関係なく呼吸中枢神経がコントロールしていますが、意識をおいて深い呼吸をする時、我々はこの「横隔膜」を大きく上下運動させることができます。
もし浅い呼吸を続けていたり、体の老化によってすべての筋肉がおとろえたりすると、この「横隔膜」もゆるんで下方にある内臓を圧迫してしまいます。
そうなると、内臓すべてがうっ血し、新陳代謝が著しく悪くなってくるのです。
ここまでくると深い呼吸=横隔膜を上下運動させる=胸部も腹部も刺激し、内臓の働きを活発にする=新陳代謝をよくし、老化を防ぐ=健康をつくる呼吸法である、という方程式が頭に浮かびます。
しかし、それだけではありません。「横隔膜」は酸素を体中に送った後の血液(古い血液)を心臓に戻す役割もしているのです。
我々は数分ですら呼吸を止めて生きることはできません。なのに、この大事な「呼吸」を意識して磨くチャンスが少ないのはひじょうに残念なことです。
今後もいろいろな方法で健康のキーポイントである「呼吸」を見つめていきたいと思います。そして生活の中に健康を培う要素をひとつひとつ増やしていきましょう。
≪和子からの一言≫
実は、肝臓は肝鎌状間膜という靭帯で横隔膜に固定され、ぶら下がっているのです。横隔膜を上下に動かして呼吸することにより、肝臓も共に上下運動をして内臓を圧迫したり、緩めたりを繰り返して臓器内の血液循環をよくする働きがあります。横隔膜を意識した呼吸はとても奥が深いのですね。
〜KazukoヨガではMomokoヨガを継承し、シニアや初心者の方でもできるやさしいオールレベルのヨガを行っています〜
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ヨガ・インストラクター 池側和子
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