2017年3月9日 第10号

 空のはてしないところ、宇宙の40光年先には第二の地球らしき星があり、地球のような生命体があるらしい。一秒間に地球を7周半まわることのできる光が40年かけて届く先に、その第二の地球らしきものはあるらしい。

 早い話が、たぶん電波望遠鏡で僕らが見ることができるその星は、40年前の光の映像であって、光より早いタイムマシンがあれば、第二の地球で僕達の過去や懐かしい人々に会えることも可能かもしれない。最近、我が家でも光ファイバーの通信がつながり、インターネットとかTVで瞬時に鮮明な画像と音声が日本から届くようになり、その技術の進歩に驚いているのである。前回紹介したノーベル賞受賞の大隅良典氏の講演は、同時中継で見た。宇宙の画像もコンピュターでかなり鮮明なものを見ることができる。そのうち、自宅で電波望遠鏡を直接のぞくことも可能かもしれない。余談であるが、昨日、元東京都知事の豊洲市場移転の経過と責任を実況で見ながら、地下における有害物質を中和する対策を考えて、いかに早く築地からの移転をつつがなく完了できるかが大切に思われたものである。

 さて、宇宙の彼方で、懐かしい人に会えるかもしれないとはいっても、僕らの映像が地球の外まではみ出しているとは思えない。たぶん見ることのできる光は、原爆の光とか、夜の大都会の輝きぐらいかもしれないのである。

 僕たちの40年前の光の残像は、日本は高度成長で忙しく皆が元気に働いていた時代であり、それなりに夢のある時代であったのかもしれない。

 光陰矢のごとし、過ぎゆくものは早い。以前、小生が創作した小話『梨太郎』が生まれたのは、終戦後の朝鮮戦争が始まり、日本の景気が良くなっていくころの田舎で、暑い夏の日のことである。不思議なことに、畑の真ん中に高さが10メートルほどの梨の木が一本茂っている。

 若い夫婦は、夏の暑さにもめげることもなく、野良仕事を続ける。妻が言う。「あんた、少し休みましょう」梨の木の木陰に座り、二人はお茶を飲む。夫がボソッと言う、「この梨は野生だから実は小さいが、少し食べてみるか?」。妻が答えて言う、「これは小さいけどみずみずしくておいしいわ」。「そうか、もっと食べたらいい」、「そうかのう、ありがとう!」。

 村の人が言うには、ある夏の夜にこの梨の木のあたりに大きな光るものが落ちたことがあったらしい。大きな木が一本もない畑の真ん中に梨の木が育ち、大きくなったのだと言うが本当のことは分からない。

 その梨を食べてから、夫婦に子供ができて、玉のように色の白い、よく太った赤子が生まれたそうだ。少し大きくなると、梨のように色白であったかは分からないけれど、腕力は強く、ガキ大将だったそうである。あだ名は「デブの梨太郎」で、夏には日に焼けて真っ黒な顔であった。

 昔、畑の梨の木に光輝く隕石が落ちたのであるが、その隕石は宇宙のチリでできていて、多くの有機物質、たとえばたんぱく質のもとになるアミノ酸なども入っていた。

 この特殊なアミノ酸は、梨の木の根っこの土壌堆肥となり、梨の実に入り、その梨を食べた若い夫婦の子供が梨太郎なのである。特殊なアミノ酸の遺伝子の子供、梨太郎には特殊な直感力があり、大きくなると「われは、聖徳太子の末裔なり」と小さな切り株の上に立ち、悪たれの近所の子供たちに言うのであったが、だれも信じはしないし、また何のことか分からなかったのである。

 聖徳太子の時代には、中国の南方からこれより以前に渡来したという秦氏という一族があり、京都の北の方から北陸を中心に裏日本で勢力を持っていた。彼らが伝えたものに、土木技術や養蚕の技術があったようである。この頃、キリスト教のネリウス派である景教があったともいわれている。そのためか、秦氏は、中近東のペルシャあたりから中国に入った一族ではないかともいう話もある。その一族の流れである秦河勝は聖徳太子のパトロンであったといわれる。日本で初めての仏教の都奈良にいた聖徳太子であるが、ペルシャあたりの中近東のシリウス信仰があったのでは、ともいわれる。古代エジプトではシリウスが現れると雨季が始まり麦の栽培がはじまるのである。

 奈良時代の古文に破斯 清通(はしの・きよみち)などの漢字の名前が見られるが、これはペルシャ人の名前であるというのは興味深い。

 話がそれたが、この光り輝くシリウスの近くにオリオン星座(1500光年先にある)があり、その昔、その一つは大爆発を起こし、その温度は7億度を超えたと言われ、さまざまな塵が宇宙の闇に散り、我が地球にも隕石となり到達したやもしれぬ。ひょっとして梨太郎はその末裔か、と勝手な想像めぐらす小生である。 

 


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