2016年10月13日 第42号

 9月4日は本当にお天気が良かった。その数日前は急に寒くなって「あれー冬だ!」と思ったのに3日と4日は素晴らしい秋晴れだった。

 楽しみにしていた『日系祭り』に、娘と連れ立って行った。娘はバンクーバー育ちだから友達も国際色豊かに沢山いる。それらの友人家族がそろって子どもを連れ、ことしも『日系祭り』に行った。

 昨年は入口近くの展示室にテーブルがあり、皆で折り紙をして遊んだ。ことしは盆踊りをする人達の横のテーブルが取れ、そこに総勢11人。折り紙を折ったり、盆踊りに参加したり、たこ焼き、ラーメン、何だかお好み焼きみたいなものも食べた。どれもそれなりに美味しい。ホールの中に入るとヒップホップダンスやらハワイアンダンス、日本舞踊やら、私達を楽しませる「もよおしもの」が次々とあった。

 盆踊りの櫓近くに席を陣取ったため、たくさんの顔見知りに会えた。来る人、来る人、色々な人が情報をくれる。「昨日はね、総領事が浴衣着て櫓の上でずっと踊ってくれていたのよ!」、「あんた達、昨日、来ればよかったのに!」、「はい、そういうことですよね」。浴衣姿の総領事が櫓の上で元気に、また楽しそうに皆と盆踊りかぁ。さぞ沸いただろう。私も知っていたら、一緒に足を引きずりながらでも踊ったよねぇ。「でもさぁ、この前、世界女子ソフトボール大会の決勝戦の時、総領事はね、ほっぺたに日の丸のステッカー貼り付け、赤い法被に鉢巻で、『頑張れニッポン、ちゃちゃっちゃ!』って応援していたのよー。知らないでしょう?」これで老女は友人から一本とった気でいる。でも今日は、今日。

 この好天気の下、これだけ多くの人が集まり、歩行困難で難聴の老女でも年齢を考えず、若者や子ども達と充分楽しめた。それから驚いたことがある。パーキング場から会場入口や彼方此方にいる『ボランティア』だ。有り難いと思った。誰もが優しい。笑顔で腕に押してもらったハンドスタンプを入口で得意げに見せる老女にもニッコリ笑顔で「ハイ、どうぞ」と通してくれる。あの若者達の笑顔が見たくて入口を何回出入りしたことだろうか。

 ははっは!楽しみは何所にでもある。『幸せ』は『幸せ』だと思う人にだけある。

許 澄子

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。