2016年7月28日 第31号
そして数年後、桐島先生の元夫、勝見洋一氏のアレンジで私達は思いがけない夢の中国・北京の迎賓館である釣魚台(?)へ国賓でもないのに行けることになりました。ニクソン大統領の中国訪問中の宿泊場所です。そこでのお食事会に参加するためです。総勢16〜17人でしたでしょうか、末席に座った私の前は林真理子さんご夫妻、臨席は勝見洋一氏のお母様「葉さん」でした。食事が始まる前に各席に置かれたメニューのページを開けると最初のページが白く空いています。誰が提案するともなく全員がそのページに各自署名して隣席に回していくと、参加者のサインが全部メニューに残り、良い記念だということです。ぐるっと回って全員に戻るはずのメニューが、私のところにはどうしたことか来ない。遠慮しながら「皆様のお席のどこかにとどこおっていませんかぁー?」とお聞きしましたが、見つかりません。すると目の前の林真理子さんが「澄子さん、これどうぞ」とメニューを下さるのです。ビックリして、「結構です」と答えると「私達は夫婦で1部あれば良いのです、さあどうぞ」と笑顔でくださるのです。殆どのメンバーも夫婦参加でしたがそう言って下さったのは東郷、林真理子ご夫妻だけでした。
真理子さんはお仕事を抱えてのご旅行で、あまり出歩かなかったようですが、万里の長城を皆で歩いている時、何だかオペラアリアを一人で気持ちよさそうに歌い出したことも記憶にあり、ご主人の東郷さんとは紫禁城を桐島先生の親友ドクターケイコや佐賀新聞の方、勝見氏の母上「葉ちゃん」等と数人で見学した思い出があります。夫婦で1冊あればいいかぁー、いいなぁ、この夫婦。
許 澄子