2019年3月14日 第11号

 日本では、あちこちにある「デイサービス」。日中、在宅で介護を受けている人が通所し、食事や入浴、レクリエーション、機能訓練などを提供する、日帰りの介護サービスです。朝夕の送迎も、サービスを提供している施設が行います。このようなサービスを受けることにより、生活の介助、孤立感の解消、心身機能の維持向上を図るだけでなく、介護する家族の身体的、精神的負担の軽減を図ることを目標としています。

 生前、私の母も、長期入院するまで、2箇所で合わせて週に6日、利用していました。そのうちの一箇所は、「デイケア」と呼ばれる通所施設でした。「デイケア」は、「デイサービス」と同じように、日中の送迎により、介護老人保健施設や老人病院などに通い、リハビリテーションを受けるサービスです。利用者が、自立した日常生活ができるように支援します。

 その日の経路により時間が若干異なりますが、どちらも朝はだいたい8時頃、夕方はだいたい5時頃に来る送迎のマイクロバスに乗って、通っていました。目覚めの悪い朝は、行きたくないと言う日もありましたが、着替えて食事をし、出かける準備ができると、バスのお迎えが来るまでに気分は変わり、大概は喜んで通っていました。言葉がまだ出ている頃は、家に戻ってきた後、 持ち帰った工作の作品を見ながら、その日の感想を聞くと、楽しかったことを話してくれることもありました。

 週6日、通っていたおかげで、同居していた家族が日中留守にしている間も、ひとりで一日家に篭り、テレビの前に座りっぱなしにならずにすみました。また、介助なしに歩くことが難しく、お手洗いに行く途中やお手洗いの中で転倒したこともあったため、身の回りの介助をする人がおらず、安全を確保できない状態を防ぐこともできました。認定を受けていた要介護度の範囲内で賄える上限いっぱいで利用していましたが、本当に助かりました。

 結局、母の介護には利用せずに終わりましたが、「ショートステイ」というサービスもあります。利用者を数日から2週間程度、施設で預かり、介護サービスを提供します。同居している家族が家を空けなければならなくなったとき、家族が病気になったときなどに利用する、短期入所サービスです。入所する施設により、「短期入所生活介護」と「短期入所療養介護」に分かれます。両者の違いは、前者が特別養護老人ホームなどの福祉施設に入所して、生活介護や機能訓練を受けるのに対し、後者は介護老人保健施設、老人病院などの医療施設に入所して、医療的な管理の下で、治療や機能訓練を受けます。

 日本に比べ、その数はかなり少ないものの、カナダにも同じようなサービスがあります。「アダルト・デイケア」、または「アダルト・デイセンター」と呼ばれ、日本の「デイサービス」と同じようなサービスを提供します。 フットケアや、理髪のサービスを行う所や、介護する家族の休息を目的とした、一時的なレスパイト・ケアとして、短期の宿泊サービス(日本の「ショートステイ」にあたる)を行っている所もあります。「アダルト・デイケア」、または「アダルト・デイセンター」は、地域の保健局の管轄で、公的資金により運営され、無料または費用を支払うことで利用することができます。利用料は、全利用者共通の場合と、収入によって設定される場合があります。サービスを利用する必要があるものの、生活が困窮している場合は、一時的に利用料の減額を申請することもできます。

 介護は長丁場。一日24時間、一年365日、休まず在宅で介護するのは大変です。介護する家族が無理をして、先に参ってしまっては元も子もありません。プロに任せられるところは任せ、休みが必要な時は休む。できるだけストレスを溜めずに介護を続ける秘訣でしょう。

 


ガーリック康子 プロフィール

本職はフリーランスの翻訳/通訳者。校正者、ライター、日英チューターとしても活動。通訳は、主に医療および司法通訳。昨年より、認知症の正しい知識の普及・啓発活動を始める。認知症サポーター認定(日本) BC州アルツハイマー協会 サポートグループ・ファシリテーター認定

 

 

 

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