2018年4月5日 第14号

 皆さんは、ホッキョクグマの刑務所という言葉を聞いたことがありますか?世界に一つしかないと言われるホッキョクグマの刑務所が、マニトバ州北部にあるチャーチルに存在します。

 人口1000人余りのこの小さな町は、ホッキョクグマの首都というニックネームを持つほどで、10月から11月になると、内陸部からホッキョクグマが一斉に集まってきます。冬になると主食とするアザラシを食べるため、ハドソン湾が凍るのを待つ場所が、このチャーチルなのです。ここにやってくるホッキョクグマの数は、チャーチルの人口と同じ、時には、ホッキョクグマの数の方が住人の数より多くなるとか。

 それだけに、ホッキョクグマたちが、人間の食べ物の匂いにつられて、町をうろつきはじめたのが、ここ数十年ほど、問題となっています。地球温暖化の影響でハドソン湾の氷の張りが、遅れているのが原因の一つだと言われています。結果、24時間体制のポーラーベア・アラートプログラムを設置し、人間とホッキョクグマの接触を避けるため、町でクマが目撃された場合、爆竹の音で脅すなどしてホッキョクグマを町の外から出すように仕向けたり、またそれが困難な場合は、ホッキョクグマ刑務所と呼ばれる捕獲施設に連れて行くことになっています。この刑務所では、30頭までが入所可能だといわれています。

 ピークシーズンの秋には、ポーラーベアホットラインに、一晩につき5、6回連絡があることもあるようです。チャーチルの住人は、いつホッキョクグマに遭遇するかわからないため、車で町に出る場合は、車の鍵はかけずに、誰もが車の中に逃げ込むことができるようにといった、珍しいルールもあるようです。

 カナダと言えば、ホッキョクグマが有名ですが、その影にはこんな深刻な問題もあるようです。

 

 


 ■ 小倉マコ プロフィール

カナダ在住ライター。バンクーバー新報での「まるごとカナダ」「小倉マコのオタワ便り」コラムを始め、新聞記者、コミックエッセイ「姑は外国人」(角川書店)で原作も担当。フェイスブックも始めました!読者の皆さんと繋がれたら嬉しいです。https://www.facebook.com/ogura.mako1

 

 

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