さてこの住所はどこでしょう?オタワに住んでいる方、あるいは観光で訪れた方はピン!と来たかもしれませんね。日本大使館を思われた方もいるのではないでしょうか。オタワでは、このSussex Driveは大使館が立ち並ぶ地域で知られていますが、同じSussex Driveでもちょっと東へ行くと、そうです、カナダ首相官邸に辿りつくのです。こんなに簡単に官邸にアクセスできてしまうので、この周辺を歩くと「首相やご家族に偶然会ったりして…」と期待してしまいます。
もともとこの邸宅は1868年にビジネスマンのジョセフ・メリル・カリア氏が妻へのウェディング・ギフトとして建てたものだと言われてます。その後、数人の手に渡り、1950年にカナダ政府が購入し首相官邸として使用されるようになりました。その後、歴代の首相ご家族が任期中に住んでいます。
それでは注目のジャスティン・トルドー首相ご家族も?と思いきや、現在、保留となっているようです。古い歴史ある邸宅とだけあり、老朽化が進んでおり、 窓にヒビが入っていたり、電気や配管も完全ではないようで、大掛かりな修繕が必要なようです。小さなお子さんが3人もいればそんな状態の家に住むのはやはり親として心配ですね。修繕費には約1000万〜1500万カナダドル(単純計算で10-15億日本円)が予測されていて、過去の首相夫人のなかでは、新しく立て替えたほうが良いのではとの声も上がっています。
トルドー首相、どうやら今年は首相官邸への引越しは難しいようですが、任期中には子供の頃の思い出がつまった首相官邸に住めるようになったらいいですね。
©Liberal party of Canada
(小倉マコ)
■ 筆者プロフィール
カナダ在住ライター。新聞記者を始め、コミックエッセイ「姑は外国人」(角川書店)で 原作も担当。