2018年10月18日 第42号

 あなたは、死にたいほど人生がつらいと思った事ある?私には、そんな経験が何回かあるよ。でもね、47歳になる今の私は、自分の事が心から大好きで幸せ。

 私が長く、苦しい時間をかけて、やっと手に入れた、自分を愛せる心。それは、私がある真実に気づいた事から始まった…人間は誰だって、大なり小なり、辛く悲しい経験をするよね。問題なのは、私たちがその事柄を、引きずり、人から言われた事を自分のアイデンティティーだと勘違いしてしまう事。例えばでいうと、私はこれを“玉ねぎの皮”って呼んでるんだけど、一番奥の芯の部分が、生まれたままのあなたの性質、一枚一枚その上から人から言われた事、責任とか役割とか社会からの期待、いろんなネガティブな経験がどんどんかぶさっていく。例えば、”私のケースでは、デブ、価値がない人間…など、大人になる頃には、何重にも重なった自分の間違ったアイデンティティーが作り上げられ、本当の自分を私はわからなくなった。表面上は何事もなく、明るく振舞っていた私、実は、長年、摂食障害、鬱病、中毒症を繰り返し、どんなに頑張っていろいろな事を成功させても、充足感が得られない事の繰り返しで、ずっと自分に自信が持てなくて苦しんだ。40歳を過ぎ、心身ともにボロボロになった私は、心の安らぎと幸せへを探し始めた、私はこの作業を”玉ねぎの皮むきセラピー“と呼ぶ。

 

なんで自分に自信が持てない?

 以前の私は、何を成功させても、常に自分に”ダメ出し“をしてきたし、とにかく自分をいじめ続けた。この状況は正直、かなりきつい、だってどんなに頑張っても、私は絶対に自分を褒めなかったから。これを人に話すと、結構びっくりされる。ビキニを着て堂々とステージに立って優勝したり、ベストインストラクター賞を受賞して、社会的に認められたりしているのに…この私の心の大きな闇に、私はずっと気付かず、長い時間をかけて、心身ともに自らをひどく傷つける事になった。

 私は、小さい頃から、知能が低い、がさつ、ごつい…とか言われて、家族に笑われ、いじられて育った。それに傷ついた私が泣いたものなら、ほら見ろ、悲劇のヒロイン…とさらに茶化されて、私は完全にいじけた。また、男子からは、色黒、大根足とか…小学校低学年の頃の私は、勉強に全く興味がなくて、授業中の集中力はゼロ、テストもゼロ点、それから、時計が高学年になるまで、ちっとも読めなかった私、今の世間では、発達障害とかいわれるタイプの子だったかも。そんなわけで、小学校を卒業する頃までには、自分はブス、バカな人間なんだという、厚い玉ねぎの皮を自分にかぶせて、それを信じ込んだ。

 ここではっきり断っておきますが、私の家族は私の事を愛情深く、大事に育ててくれた。でも私の両親の世代の愛情表現は、いわゆる昔の日本人のやり方で、茶化しながら愛情表現するタイプ。誰だって私みたいな経験をしてきていると思う。ただここで問題なのは、その事実の大小とは関係なく、私がどのように自分の事をとらえるかという事。例えば、“足が太い“…太いという意見は、人によって全然意見が異なり、はっきりとしたラインがない、だから、本人が太くて良くないと人に言われたことに対して認識した時点で、その事実はその人の短所になる。そしてこのコンプレックスを本人が自分の個性として認めるか、それとも憎悪と恥の念で捉えるかとで、両者に大きな違いが出てくる。私の場合は、もちろん後者のほうだ。

 幸いにも私は、めちゃくちゃポジティブな主人の愛情表現を、ここ20年間、毎日浴び続け、凍り付いた私の心が解けていった。それで、自分の強烈な自信のなさの一つの原因は、幼少期から来ている事に気づいた。自分が親になって、特にこの事に気づいたが、私には、両親から、愛しているとか、かわいいなんて事は言われた事は、一度もない。じゃあ、私がポジティブに自分に自信をもって、これから生きて行くためには、どうするべきか。過去に起こった事は、絶対に今さら変える事は出来ない、だから、答えは、私が変わらなければいけないという事。今までに言われた意地悪な事とか、事実でない私の性質…玉ねぎの皮をむいて、それをゴミ箱にすて、しっかり本来の自分を見つめる事。そう、犠牲者からの離脱が私には必要だったんです。

 次回は、私が実際に行っている”玉ねぎの皮むきセルフセラピー“を簡単にご紹介します。

 


作者プロフィール ドナルド涼子

BCRPA Supervisor of Group fitness & Yoga ,Personal trainer, Older Adult, 200H Yoga Teacher

47歳、愛知県出身、1999年に結婚を機にカナダに移住、34歳の時にフィットネスインストラクターの道に進むとすぐ、女性に人気のカリスマインストラクターへ成長する。2016年ベストインストラクター賞を受賞。43歳の時に、アマチュアボディービルのビキニコンペティションを趣味として始め、地区、州大会にて優勝、上位入賞経験あり、現在次の全国大会に向けてトレーニング中。また、フィットネスプロフェッショナルへの講習活動、地域の学校でのヨガ、フィットネス指導、老略男女問わず、心と体の健康と幸せの為の活動を行っています。また、近年マスメディアにも出演、読売テレビ、グッと地球便、Nikkei TV Chipapa など。こんな肩書を持つ私ですが、若かった頃は、性格ブス、デブ、ネガティブ、ずっと自分の事が大嫌いだった。そんな私には、運命を変えてくれる主人との出会いがカナダで待っていた。出会った瞬間にビビット来て、この人と結婚するってわかった私は、出会って1週間後に彼の実家に転がり込んだ?!そして、結婚、異国の地で2児の母になる。気が付けば20年、今の私は心から幸せ、自分大好き。私がどうやって幸せをつかんだのか、私の経験をお話ししながら皆さんに伝えたいと思います。私の目的はただ一つ、あなたにも“幸せ“になってもらう事。 パーソナル、グループトレーニングやヨガのご質問は、This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it. 604-889-4729 まで、または Instagram : befitfirmfab 、 facebook : Ryoko Donald

 

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。