2018年2月8日 第6号

今回は、どのように多くの体に良い脂分(オイル)を食事から摂取すればよいかということについて、お話をしたいと思います。

 多くの方が、脂分(オイル)は健康にはあまり良いものではないと考えていると思います。ところが、脂分を食事からなくすことによって逆に大きなダメージが体に起こることが多いことが分かっています。そのため適度に脂分を摂取することが健康でいるためにはとても大切なのです。

 実際に脂分が少なくなるとどのようなダメージが起こるのか、具体的に例を挙げていきたいと思います。 

 

空腹感/不満足感:
 いつもお腹が空いていたり、一度の食事やスナックなどで満腹感を感じなかったり、食事の味を満足していなかったり、何か口に入れていないと満足できない。

体温管理の困難:
 寒さに耐えられないなどの体温管理をするのが難しい。

脂性ビタミン群の摂取の低下:
 ビタミンA, E, Dなどの脂分と一緒に吸収されるビタミン群があまり補給されていない。

下腹部の出っ張り:
 内臓をサポートする分だけの脂肪が体の中にできていないので下腹部だけがポッコリと出ている。

コレステロール値の上昇:
 体内のコレステロール値が低いと、逆に肝臓によりコレステロールを大量に作り始めます。

 

 脂分は多く摂取することにより、体に脂肪として、のちのエネルギー源としての蓄えを作ります。もし、その蓄えがないといつも疲れていたり、常に空腹感を感じていたり、落ち着きのなさなど、精神的な症状まで発症することがあるので、適度に摂取するということは大切なのです。

 それでも、小さい子供などに脂肪をつけさせるだけの食事を与えるのはあまり賛成できませんが、常に空腹感があったり、落ち着きがないなどの症状が出ているときは、気にかけて脂分を含んだ食事やスナックを与えることをお勧めします。 

 脂分をある程度含んでいる食事やスナックを食べさせるだけで、消化する時間がかかるため、脳への満腹感のシグナルを送るための時間を作ることができ、常に空腹感を感じることを減らすことができます。

 脂分を含んでいるもの=揚げ物=チップスやフレンチフライ、トンカツ、唐揚げだと考える方が多いと思いますが、オリーブオイルを使って作ったドレッシングのサラダや大さじ一杯のオリーブオイルやごま油を追加で混ぜたマカロニサラダなど、バターの代わりにココナッツオイルを使ってクッキーやケーキを作ったりすることによって、簡単に体に良いオイルを摂取することが可能になります。

 実際に我が家では、トンカツを揚げる際には必ずココナッツオイルを使い、トマトミートソースのパスタの際は必ず、それぞれの皿にオリーブオイルをかけてサーブします。特にトマトにはリコピンやビタミンAなど脂分と一緒に摂取すると、吸収を高める栄養分が多く含まれているので、食事を作る際にも、食事を食べる際にも、オイルの長所と短所を見極めて摂取するとよいでしょう。

 


草野明美 自然医学博士/Naturopathic Doctor

1989年にカナダオンタリオ州に父親の転勤で引越しをし、2002年にトロントにあるCanadian College of Naturopathic Medicine にて修業後、2年ほどバンクーバーの指圧学校で講師/カウンセラーとして自然治癒力の素晴らしさを教えていたが、日本でも同じことができないか一度帰国。その後日本で結婚、出産をし2013年7月に再度家族を連れてバンクーバーに戻ったあと、カルガリーMarket Mall内のNutrition Houseにてサプリメント健康アドバイザーとして勤務。現在は2児の母としてバンクーバーに在住。

 

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これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。