2017年10月19日 第42号

 多かれ少なかれ生理時には不快感はありますが手足が冷たくなって、顔が青ざめて、痛みの余り吐き気を感じ、ひどい方は動くことができずにうずくまったまま痛みに耐えて、脂汗をかいて…これが毎月毎月襲ってくる…思い巡らすだけでも気の毒で、なんと言葉をかけてよいのか分からなくなります。でも、これほどひどくないにしても毎月訪れてくる痛みに恐怖を抱いておられる方は、結構多いのです。これは、月経困難症についての症状になってしまいましたが、子宮内膜症の症状はとてもこれに近い関係にあるのです。でも、生理痛が激しいからといっても必ずしも子宮内膜症ではありませんが、主要な原因の一つに挙げられています。一般的に、発症する頻度は30歳代前半にピークを示すと言われています。現在では女性の社会進出はめざましく、しかも優秀な人材として人望を集め、重要な役割を担ってエネルギッシュに活躍されている方々が数多く居られます。ちょうど、その活躍される時期を狙い撃ちするかのように一致して罹患する頻度が増えてきます。まさに、丁度人生や仕事に“脂が乗った時期”に頻度が高くなるのです。ご本人にとっては、痛みがひどくて仕事を休まなくてはならない程度となると、その残念な思いや悔しい思いは痛いほど伝わってきますが、その損失は本人だけに留まらず、地域や社会にとっても被害は甚大と言わざるを得ません。いや、世界にとってもかけがいのない計り知れない損失を蒙っていることにもなります。もしも肉体的に不調があれば、多かれ少なかれ精神的にも感情的にも、思考力にも判断力にも影響を及ぼしかねません。一カ月間のうち、7日間から10日間も(多少の違いがあるとしても)続くとしたら、それこそこの上なくダメージが大き過ぎると思いませんか? 損失が大きすぎると思いませんか? 疼痛に関しては、痛みに対する感じ方の差もありますが、すべて自覚所見で他覚的にとらえる検査法がないので、これくらいの程度は“当たり前”と思ってしまって、我慢しがちなのです。とくに月経にまつわる症状は人に知らさず、自分自身の中に納めてしまいがちです。ですが、職場や社会の中でも貴女に対する評価は必ずしも“月経だから”と思ってくれるとは限らないのです。時には好意的な評価であったとしても1カ月毎に繰り返し、繰り返し度重なる態度や行動であるとしたら、もしかしたら“生理だから・生理痛だから、今日はいつもとは違う貴女”として評価されるのではなく、いつか、やがて“個人として”“人格として”評価されるとしたら、それこそ“心外”です。御自分の正当な評価を得るのみならず社会や世界への貢献の意味においても、ここ一番、意を決して、思い切って医療機関を受診してみませんか。医療機関は絶対的に、全面的に貴女の味方です! 痛い時に、ジッと我慢して耐えているのも素晴らしいことかもしれませんが、耐えられないような痛みに耐える必要などないのです。病気は早く見つけて、早く対応すれば晴れ晴れとした、希望に満ちた明日が、未来が待っています。子宮内膜症は時が経つにつれて、症状が悪化する場合が多いので、早めの治療が勧められています。しかも、子宮内膜症は子宮内だけに発生するとは限らないで、子宮周辺の臓器、例えば膣や卵管、腹膜や卵巣などにも発生することがあります。不妊症との関連も取りざたされていますので、本人だけに留まらず、次の世代を担う生命の誕生をも左右しかねない疾患なのです。医療機関を受診なさる時には、もしも可能であれば、子宮癌や乳癌の検査もぜひ追加して受けておきたいですね。

 


杉原 義信(すぎはら よしのぶ)

1948年横浜市生まれ。名古屋市立大学卒業後慶応大学病院、東海大学病院、東海大学大磯病院を経て、杉原産婦人科医院を開設。 妊娠・出産や婦人科疾患を主体に地域医療に従事。2009年1月、大自然に抱かれたカナダ・バンクーバーに遊学。

 

 

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