ロンドンオリンピックで女子卓球チームが銀メダルに輝いたことや美・健康志向の高まりで、卓球人気がますます高まっている。そのメンバーの石川佳純選手、ここバンクーバーに少なからずの縁があるという。去年8月、キャピラノユニバーシティで行われた「ダブルフィッシュ・カナディアンオープン」で優勝し、はずみをつけた。
その時、気分転換のお世話をしたのがバンクーバー在住の田端秀夫さん。ビジネスマンのかたわら卓球に情熱を傾ける田端さんに、その想いを聞いた。

 

激しいラリーの応酬が続く
田端さんは、2012年カナダチャンピオンシップ50歳以上の部でベスト8まで勝ち進んだ卓球熱中人。彼のいつもの練習場は、リッチモンド市の「Bridgport Sport Club」。ここは、ロンドンオリンピック卓球のカナダ代表アンドリー・ホー選手の母が経営するスポーツクラブで、彼が幼い時から練習した名門クラブ。それだけに、いつも、つわものたちが集まり練習を重ねている。卓球のバンクーバー・オープンやBCオープンなどの公式試合に出場し、ランキングを取得することを目指す者には絶好の環境だ。
このクラブで練習する日系人は、田端さんをはじめ4〜5人で、気の置けない仲間たちだ。しかし、練習はハードで、激しいラリーがいつ終わるのかと思うほど続いていた。そんな卓球の腕自慢の仲間の輪をさらに広げていきたという。
田端さんは中・高校生時代に卓球をし、30歳の時あらためて始めた。10年ほど前、バンクーバーに移住後は、このスポーツクラブで、週1〜2回、一日4〜5時間も練習を続けているが、さすがに最近は、少しセーブ気味だという。
ロンドンオリンピック銀メダリストの石川佳純選手の両親と、故郷の山口で卓球をしていたよしみから、彼女が優勝した2011年ダブルフィッシュ・カナディアンオープンで来加したとき、ノースバンクーバーのリンバレーモールへ案内するなどのサポート役をした。それだけに、ロンドンオリンピックでの活躍には格別の思いがあったようだ。

卓球人気の高まりは、健康増進の面からも大歓迎
卓球というスポーツでの動体視力は、非常に高度なものが求められ、集中力が高まる。そして、俊敏なフットワークを使うため、少しの練習時間でも汗びっしょり。ダイエット、健康増進にはうってつけ。このスポーツクラブでの全体の練習風景を見ても、肥満のひとの姿は、まず見かけない。
近年の美容と健康志向の高まりとともに卓球人気も高まっている。また、それほどのハードなものではなく、いわゆる“ピンポン”であっても、シルバー世代の適度な運動にも最適だ。近隣のコミュニティセンターなどで挑戦してみてはいかがだろう。
ところで、田端さんの本業は、コピー機などの事務機器、消耗品の販売などのセールス。日本のサービス精神と、卓球なみのフットワークの良さが定評のようだ。

 

(取材 笹川守)

 

2012年9月13日 37号掲載

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