2020年3月12日 第11号
カナダ銀行は4日、政策金利を1・75パーセントから0・5パーセント引き下げ1・25パーセントとした。新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響による世界的な経済への悪影響から、主要国で金利引き下げが相次ぎ、カナダもこれに追随した。さらに必要な場合は、さらなる金利引き下げも考慮していると明らかにした。「カナダ銀行は経済と財政状況を注視しながら、主要7カ国(G7)中央銀行や財政当局と協力していく用意がある」と声明を発表した。
カナダ銀行が0・5パーセント金利を引き下げるのは2009年3月の世界的な財政危機に陥って以来。カナダは比較的順調に金利を引き上げ、2018年10月から1・75パーセントを維持していた。しかし、今回は原油価格が急落していることや、それにともないカナダドルも対米ドルで大幅に下げている。石油産業が主要産業であるカナダにとって、カナダ経済への悪影響は避けられない。
カナダ銀行はこれまで金利の引き下げについては慎重な姿勢を示していた。国民の一世帯による返済負担率が記録的に高いことから、さらなる負債の増加を避けるためにも、これまでに何度も引き下げを見送ってきた。ジャスティン・トルドー首相は、「経済成長の減速は避けられない事態となってきた。カナダへの影響も大きいとみられるため、解決策を探す必要がある」と語った。