2019年5月23日 第21号

 中国当局は拘束していたカナダ人男性二人を17日、公式に逮捕したと発表した。逮捕されたのはビジネスマンのマイケル・スパバー氏と元外交官のマイケル・コブリグ氏。国家機密を収集しようとした疑い。

 二人は昨年12月に中国当局によって拘束された。その直前にはカナダのブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー国際空港で、中国の通信機器大手ファーウェイCFO孟晩舟氏がアメリカ政府の要請によりカナダ当局に拘束されている。孟氏は1000万ドルの保釈金を支払って保釈されたあと、現在はバンクーバーにある自宅で過ごしている。今月初めには裁判所に出廷している。

 中国政府は孟氏が逮捕された当初から釈放を要求している。カナダ人男性二人の拘束は、カナダへの報復とみられ、今回の逮捕はカナダへ更なる圧力を加えるための対応とみられている。

 カナダ外務省は「カナダは昨年12月10日に中国の恣意的な拘束を非難したと同様、今回の逮捕についても強く非難する。カナダ政府として中国にコブリグ氏、スパバー氏の釈放を強く要求する」と声明を発表。ジャスティン・トルドー首相は訪問中のフランス・パリでの記者会見で、今回の逮捕について「受け入れがたい」と語り、「中国で恣意的に拘束されているカナダ国民の安全をこれからも最優先事項として対応する」と語った。

 ただカナダで導入する予定の5Gネットワークの構築について、ファーウェイを採用するかどうかについては、政治的な判断はせず専門家に意見を聞いて判断すると語った。カナダ国内の5Gネットワーク構築については、アメリカがファーウェイを採用しないよう圧力をかけている。

 

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