2018年12月13日 第50号

 ケベック州モントリオール市の地下鉄駅構内で8日、世界的なチェロ演奏家ヨーヨー・マさんがミニ・コンサートを開いた。

 同市のエンターテイメント企画会社レンバス・ワークスとの共同企画によるもので、『現代人の絆と断絶を探る』と題された20分ほどのコンサートでは、マさんのチェロ独演のほか、地元の詩人との共演が披露された。またこのコンサートは、文化が現代テクノロジーを人間的なものへ近づけていく上で、どのように寄与しているかを探る『行動の日』と彼が名付けたプロジェクトの一環でもあった。

 フランス生まれのマさんは、流ちょうなフランス語で「地下鉄駅内での音楽、教会から聞こえる鐘の音、人生のすべて、これらが私たちを結び付け、また、社会的立場を向上させる」と聴衆に語りかけていた。

 また「私にとってこの曲は、モントリオールそのものだ」と、モントリオール出身のシンガーソングライターで、2年前に亡くなったレナード・コーエンの『ハレルヤ』を演奏、聴衆に一緒に歌うよう促した。彼の演奏を聴きに、よくコンサート会場へ足を運んでいたというアマチュアのチェロ演奏家のアニク・フィロンさんは、多くの子供連れの家族が彼を取り囲んで演奏を聴くという、一般のコンサートでは見られない光景に心を打たれたと感想を語っていた。また音楽教師のジョジアーニ・ルファブルさんは、17世紀のバッハの曲を、地下鉄駅構内で聴くということで、彼が伝えようとしている『お互いのつながり』というメッセージがよく分かったと、取材に答えていた。

 この日マさんは、音楽が人間の頭脳に及ぼす影響について、人工知能研究者とのパネルディスカッションに参加したほか、テクノロジーとメディアが、カナダ先住民の声を世界の人々に届けるために、どのように寄与してきたかを追った映画の上映会にも出向いていた。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。