2018年12月13日 第50号
カナダ統計局が5日に発表した11月の労働状況報告書で、カナダの失業率が1976年に今の算定方式になって以降で過去最低水準になったことが分かった。
11月の失業率は5.4パーセント。過去最低だった前月の5.6パーセントを下回った。 就業者数は94100人増。2012年3月以来の大幅な増加数となった。フルタイムが89900人、民間企業への就業者が78600人。ただ平均時給上昇率は1.46パーセントと2017年7月以来の低い伸び率に止まった。
産業別ではサービス業が67200人と好調で、生産業が26900人、専門職・科学・技術産業が26000人、建設業が14800人だった。
地域別では失業率が最も改善したのはアルバータ州で7.3パーセントから6.3パーセントへ、サスカチュワン州で6.2パーセントから5.5パーセントに改善した。失業率が最も低かったのはブリティッシュ・コロンビア州で4.4パーセントだった。
主要都市別では最も低かったのはBC州ビクトリア、ケベック州ケベックシティで3.8パーセント、BC州バンクーバーは0.2ポイント改善して4.1パーセント、アルバータ州カルガリーは0.3ポイント改善の7.9パーセント、オンタリオ州トロントは0.1ポイント改善の6.2パーセント、ケベック州モントリオールは前月と変わらず5.9パーセントだった。
カナダ銀行は5日、金利を発表。今回は引き上げず現行の1.75パーセントのまま据え置いた。スティーブン・ポロズ総裁は据え置いた理由を、企業の設備投資など雇用以外の経済指標が落ち込んだほか、石油価格の予想以上の急落をあげている。ポロズ総裁はカナダの好調な経済を理由に2017年7月からすでに5回金利を引き上げている。今後も緩やかに引き上げることを明言している。次回の発表は2019年1月9日を予定している。