2018年10月4日 第40号

 カナダ政府は10月1日、カナダがアメリカとの北米自由貿易協定(NAFTA)交渉で前日夜遅くに合意に達したと発表した。メキシコとの3カ国協定を維持する。さらに名称も変更され、今後は、アメリカ・メキシコ・カナダ協定(USMCA)とする。

 1日にクリスティア・フリーランド外相と記者会見したジャスティン・トルドー首相は、「カナダにとっていい日になった」と笑顔を見せた。カナダ経済にとって、カナダの事業者にとって、カナダの消費者にとって、いい結果になったと語った。

 アメリカとの交渉は難航していた。アメリカがメキシコとの協定を先に終え、追随する形でカナダがアメリカとの交渉に入った。アメリカのドナルド・トランプ大統領は、NAFTAに否定的で、NAFTAを解消し2国間協定が望ましいと発言する場面もしばしばあった。それでもようやく合意に至り、13カ月の交渉を終えたフリーランド外相は記者会見で笑顔を見せ、カナダにとっていい内容になったと語った。

 今回の合意により消費者に直接どのような影響が出るかは不明と各メディアは報道。それほど大きく変わらないとみられている。特に注目された酪農業については、結局アメリカに譲歩する形でアメリカからの輸入を拡大することで合意に至ったが、カナダ国内で乳製品がすぐに値下げになるという可能性は低いとみられている。

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州ではカリフォルニア産ワインがスーパーマーケットで販売されることになる。現在、スーパーで販売するワインはBC州産限定とされている。しかし今回の合意によりアメリカ産ワインの販売を拡大することが盛り込まれた。2019年11月1日までには実施されることになっている。BC州はカリフォルニアやオーストラリアからワイン販売についてBC州産への保護主義を訴えられていた。

 

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