2018年5月3日 第18号
ブリティッシュ・コロンビア州グレーターバンクーバーの、いくつかの会場で開かれてきたナイトマーケットのうち、バンクーバー市内のチャイナタウン・ナイトマーケットが今年は開催されないことになった。
ナイトマーケットの主催者であるバンクーバー・チャイナタウン商店組合が、バンクーバー・チャイナタウン・ビジネス開発地区協会と共同で開催した記者会見で発表した。中止の理由は、同組合の意見を軽視して開発を進めるバンクーバー市への抗議とされている。
バンクーバー市は今年3月、開発計画は同地区の歴史的遺産の尊重や文化的中心としての役割が担えるよう見直されたとしていた。
会見に列席したバンクーバー・チャイナタウン・ビジネス開発地区協会のアルバート・フォク会長は、市の開発担当者はチャイナタウン商店街の声にあまり耳を傾けていないと、その姿勢を批判。市が進める開発計画を商店街が真剣に憂慮していることを示すため、ナイトマーケットの中止が決定されたと説明している。
その一方でフォク会長は、ナイトマーケット自身が幅広い世代向きのイベントではなく、利益を生み出せるかどうか疑わしいとも発言。さらにチャイナタウンの若い世代の活動は現在抱えている問題に真剣に取り組んでいないと批判、チャイナタウンをユネスコの世界遺産に推薦する動きにも疑問を呈した。
これに対し、チャイナタウン・アクション・グループのビンス・タオ代表は、記者会見の内容はチャイナタウンで長年活動してきた人々を攻撃するもので横暴だと反論。ナイトマーケット中止の決定は、年に一度のこのイベントに真剣に取り組もうとしない商店組合の姿勢の現れだとコメントしている。ただし同イベントの中止による地元コミュニティへのインパクトは、それほど大きくはないと述べている。