2018年5月3日 第18号
アルバータ州カルガリー市で4月25日朝、小型双発機がラッシュアワー前の幹線道路に緊急着陸した。
この飛行機は、同州南東部の人口6万3千人ほどの都市メディシン・ハットにある航空会社、スーパー・T・アビエーションの9人乗りの飛行機で、メディシン・ハット空港を午前4時45分過ぎに離陸、カルガリー空港を目指していた。パイロット2人のほか、4人の乗客が乗っていた。その約一時間後、カルガリー国際空港の南側から滑走路にアプローチしていた同機にトラブルが発生、空港手前の幹線道路36番通りに緊急着陸した。
この道路には、並行して同市の路面交通システム、Cトレインが走っている。緊急着陸後パイロットはメディアに対し、右エンジンの燃料ポンプが故障したと語っている。
機体は着陸後に右翼端を街灯にぶつけたものの、ほぼ道路の中心にまっすぐ停止した。乗員乗客にけがはなかった。まだ夜が明けきる前のラッシュアワーの始まる前だったため、道路を走行中の車にも被害は及ばなかった。
着陸の様子を目撃した人々は、突然頭上すれすれに現れた飛行機とその爆音に驚いたと語りながらも、道路からそれずにまっすぐ機体を着陸させたパイロットの技量に賞賛の声を送っていた。
一方、安全委員会の調査官は、事故原因に言及するには時期尚早と取材に語っていた。旅客輸送に用いられる飛行機は、プロペラ機でもジェット機でも、複数のエンジンのうちの一機が停止しても飛行を続けられる仕様となっているため、事故原因を詳細に調べる必要がある。