2018年2月8日 第6号
9日から韓国の平昌で開催される冬季五輪のアイスホッケー会場整備のため、経験豊富なカナダ人が4日、韓国へ向かった。
この男性は、オンタリオ州ロンドン市のアール・ニコラス・アリーナのアイスリンク整備を30年近く行ってきたベテラン、アート・ジョンストンさん。「単純に氷の上をぐるぐる回っているだけじゃない」と、ザンボーニ(Zamboni、スケートリンクの表面を滑らかに整える製氷車)の操作の難しさを語るジョンストンさん。
「どのくらい深く表面の氷を削り、どれくらいの水を噴射するか。それを間違ったために、シュートしたパックがゴール前で変にバウンスするなんていうことだけは見たくないから」と、整備の責任の重さと難しさを語っていた。一方、ザンボーニを操るジョンストンさんが楽しみにしているのは、その様子が観客スタンドの子供たちの目をくぎ付けにすることだという。「彼らが、いかに興味津々なのかが手に取るようにわかる」とジョンストンさん。
地元ロンドン市のアイスリンクで乗った最初のザンボーニは、フォード社製のディーゼルトラクターの後部に、雪を積み込む箱を取り付けただけのものだった。それでもすぐに、彼はこの仕事のとりことなった。
そんなジョンストンさんが五輪大会のアイスリンクを整備したのは、2010年のバンクーバー大会が初めてだった。その時に、平昌大会の製氷チームから今大会への参加を打診された。
今回ジョンストンさんが乗るザンボーニは、30年前のトラクターからは格段に進化している。しかし自分の愛する仕事をこなすジョンストンさんの情熱は、今も昔も変わってはいない。