2017年12月7日 第49号

 ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンドの漁港で2日、恒例の新鮮なニシンの1日限りのセールが行われた。

 漁師らがボランティアで行うこのセールは、ある漁師の17歳の娘ががんで亡くなったことをきっかけに2011年から始まった。彼女の死を悼んだ漁師仲間の、同じような状況にある子供たちのために何かを…という思いが、その出発点だった。

 販売されるニシンの単位は20ポンド(約9キログラム)で、15ドル。そのため購入者はバケツなどを持参することになる。

 当日は雨模様にもかかわらず、会場となったスティーブストン漁港局裏手の倉庫には、そうしたバケツを持った人が長蛇の列を作った。初年度には30トンだった売上高は、最近では65トン前後を推移してきたが、今年は50トン程度で約8万ドルの売り上げになったと、イベントコーディネーターのフィル・エイスビクさんは取材に語っている。漁師らはすべて手弁当でこのイベントに協力しているため、売り上げ全額がBC州チルドレンズ・ホスピタル基金に寄付される。

 今日は一年の中で最高の日だったと、エイスビクさんは笑顔で答えていた。

 

 

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