2017年11月30日 第48号
ジャスティン・トルドー首相は28日国会で、LGBTQ2コミュニティに謝罪の言葉を述べた。
カナダでは1950年代から、カナダ政府による性的少数派への迫害が続いていた。性的少数派の活動を犯罪化したり、カナダ軍や公的機関から排除したりという政策が1990年代初めまで続いていた。
トルドー首相は、これは遠い過去に起こったことではない、「こうした組織的な行為はカナダで我々が認めたくないと思うほど最近まで行われていた」と述べた。
「これは、我々が行った、恥であり、悲しみであり、深い後悔であり、今日ここでそれを認め、我々が間違っていたことを心から謝罪したい」と述べた。その後、会場で傍聴していた関係者や議員から大きな拍手が巻き起こった。
今回の謝罪と共に、連邦政府は性的指向が理由で有罪となった人々の犯罪記録の抹消を実現する法案を同日に提出、可決される見通しとなっている。
また軍や政府機関を追われた人々に対し、総額で1億1千万ドルの補償をするほか、2千万ドルの裁判費用、さらに1千5百万ドルを記念碑などの建設に充てる。
保守党アンドリュー・シェア党首も首相の謝罪を支持することを表明。「この国で、これまで罪のない人々を不当に扱ってきたことに遺憾の意を表明する」と語った。そして国内だけでなく海外で同様の扱いを受けている人々にも手を差し伸べるべきとも訴えた。しかし保守党の中には今回の謝罪表明に出席しなかった議員もいた。
新民主党(NDP)ガイ・キャロン議員は一歩踏み込んで、現在は禁止されている性的少数派の男性による献血を含むさまざまな差別的法律を見直すべきと語った。