2017年11月16日 第46号

 アルバータ州の配管・暖房施設施行業者LPHインダストリアルのデレック・スコットさんは8日、エドモントン市南部の工事現場に向かう途中で、同社のトラックの一台が交通事故に巻き込まれたとの電話連絡を受けた。

 現場に到着したスコットさんが目の当たりにしたのは、ほとんど新車のようなBMWにぶつけられた自社のビックアップトラックだった。その中には、男性一人とその娘、さらにその娘の生後6週間になる新生児がいたが、彼らはBMWに乗っていたグループに誘拐されたという。

 一方、そのBMWのまわりには警察官と消防隊員が集まり、中にいた素っ裸の5人を車外に出そうと奮闘していた。そのうちの女性の一人は激しく抵抗し、最終的には5人がかりで引きずり出さざるを得なかったという。5人は裸のまま後ろ手に手錠をされ、警察に連行されていった。このうちの4人は、複数の理由で病院へ連れていかれたが、薬物やアルコールが関与しているとのこと。

 また、この5人組と、誘拐された親子3人は顔見知りだったことを、警察は明らかにしている。

 5人のうち27歳の男性と、それぞれ35歳と30歳の女性は今週、やはりエドモントン市南部の町リダックの裁判所で誘拐と公務執行妨害の容疑で公判にかけられる予定。残りの2人の未成年の少女には容疑はかけられていない。

 今回の一件は、まずリダック群に住む親子3人が、強制的にBMWに乗せられ自宅から連れ去られたところから始まる。トランクに詰め込まれた男性は、車が走行している間にトランクを開けて脱出することに成功した。続いて娘と新生児もBMWから逃げ出した。

 道端にいたこの3人を、たまたまピックアップトラックで通りかかったLPHインダストリアルの従業員が車にかくまったものの、背後からBMWに突っ込まれた。この従業員がスコットさんに話したところによると、3人は靴を履いておらず、明らかにトラブルに巻き込まれている様子だったという。

 BMWの5人組の逮捕劇が繰り広げられている間、この3人は多くを語らずピックアップトラックの中にいたままだったという。彼らにけがはなかった。

 

 

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