2017年11月16日 第46号

 アルバータ州南東部、人口1万4千人余りのブルックス市に住むジム・サードさんの飼い犬、ベイダーが自宅を飛び出したのは9月下旬のことだった。その日の朝、ベイダーがハイウェイ沿いの草むらで、ウサギかネズミを探しているのを家族が目撃している。しかし彼らが昼食に出かけ、戻ってみると犬の姿はどこにも見当たらなかったという。

 「ベイダーがいなくなったあと2〜3日間は多分、1日10時間近く彼を探していたと思う」と取材に語るサードさん。その後まわりの民家のほか動物病院や動物保護団体などを訪ね歩いたが、ベイダーは見つからなかった。

 そんなサードさんのもとに、フェイスブックを利用して迷い犬を探すグループから連絡が入ったのは1カ月以上たってからのことだった。それによると、マニトバ州の人口約1万5千人の町スタインバッハで、ベイダーに似た犬が目撃されたという。この町は同州ウィニペグ市の南東に位置し、サードさんの自宅からは1200キロメートルあまり離れていた。

 ベイダーの保護に協力した犬のブリーダーによれば、犬は行儀よく犬小屋に落ち着いたという。その後、こうした犬の搬送をボランティアで行っているトラックドライバーのグループによって、ベイダーは無事家族に再会することができた。ようやく家族全員が揃った気持ちだというサードさんは取材に対し「犬にしろ何にしろ、その存在がいかに素晴らしいものだったかは、それを失ってから初めて気づくものだ」と語っていた。

 

 

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