2017年11月16日 第46号

 11日のリメンバランスデーでは、従軍中に命を落とした兵士たちの功績を称える式典がカナダ全国で行われた。ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーのブリティッシュ・コロンビア大学内のウォー・メモリアル・ジムでも朝から行事が行われたが、その入り口にナチス・ドイツ軍を礼賛するポスターが張られているのが見つかった。

 ポスターには、リメンバランスデーに用いられる標語『忘れてはならない(lest we forget)』をもじり『第二次世界大戦の真の英雄を忘れるな(lest we forget the true heroes of WW2)』という見出しとともに、ナチス・ドイツ軍兵士の写真が大きく印刷されていた。また、ナチス・ドイツの象徴スワスチカをあしらったポスターもあったという。

 同大学ではすぐさまポスターを撤去し、この件を人種差別とヘイトクライムだとして深刻に受け止めると発表している。

 カナダ国内のユダヤ人コミュニティの相互扶助組織であるブナイ・ブリス・カナダも12日、こうした行動が学内のユダヤ人や、少数派の生徒を危険にさらすと指摘、ポスターを貼った行為を激しく非難する声明を発表した。さらにこれは、第三帝国の専制政治と真っ向から対峙して命を落としたカナダ人兵士への冒涜にほかならないと付け加えている。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。