2017年10月26日 第43号

 ハロウィーンが近づくとともに、オレンジ色のカボチャが至る所で見られるようになってきた。そんな中、ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンドのカボチャ畑では、高級車で乗り付けてカボチャを盗んでいく人が後を断たないという。

 頻発するカボチャ泥棒にたまりかね、交通量の多いスティーブストン・ハイウェーに隣接する85エーカーの畑のまわりにフェンスを張り巡らせたのは、GJファームを経営するジョージ・ジェンさん。1989年にパラグアイから移住してきたジェンさんは、この土地で育った。彼が心を痛めているのは、カボチャが持っていかれたことではなく、盗まれたことだと取材に語っている。

 こうした窃盗が頻繁になったのは、この4年間のことだと話すジェンさん、昔はこんな事件は皆無だったと振り返る。十分な食料を買えないような貧乏な人でも、野菜が必要だったら勝手に盗むのではなく自分に相談しにきたと言い、自分も大した損失になるわけではないから快く野菜を分け与えていたと、最近の状態を嘆いている。

 そんな彼をさらに落胆させているのが、BMWやベンツ、レンジローバーといった、何万ドルどころか10万ドルすら超えるような高級車を乗り回わす人々が、たかだか10ドル程度のカボチャを盗みに来ることだという。当初は『立ち入り禁止』と英語と中国語でかかれた看板を立てたものの、まったく効果がなかったため1600ドルをかけてフェンスを設置した。しかしそれでも、緊急用出入り口を使って侵入してくるという。

 ジェンさんの同僚の農家のひとりは、こうした状態はリッチモンド特有だと取材に話している。同市役所では先週からソーシャルメディアを用い、こうした窃盗や器物損壊を防ぐ『地元農家に敬意を』と題した啓蒙活動を開始している。

 

 

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