2017年9月28日 第39号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー島の、ビクトリア市の西約40キロメートルにある人口1万3千人ほどの町スークの住宅にクマの親子が出現した。この親子に対し、敷地から出ていくよう丁寧に言い聞かせている住人とのやりとりを映した動画がインターネット上で公開され、とてもカナダ的だと好評を得ている。

 18日にクマの親子が侵入したのは、郊外にある自然に囲まれたジョーダン・コートさんの家。犬が盛んに吠えるのが気になった彼がパティオから外に出てみたところ、そこには子グマ2頭を従えたブラックベアの母親がいた。子グマらは、親の足にぴったり寄り添っていたという。

 犬とクマの親子は距離を保ったままで、どちらも動こうとしなかった。コートさんは犬を家の中に戻した後、この様子を動画に撮り始めた。フェイスブックのページ『ところでスークでは(Meanwhile in Sooke)』に投稿された、この動画には、「ここから出て行ってもらいたいのだが」というコートさんの問いかけに応じ、向きを変えて敷地から立ち去るクマと、その後ろ姿に向かって「ありがとう」と感謝を述べるコートさんの声が聞こえる。さらにコートさんは「うちの庭を楽しんでくれたかい?よい一日を」と付け加えている。

 コートさんがこの場所に引っ越して来たのは約2年前だが、クマが出現したのは今回が初めてだったと取材に話している。彼は母親グマの落ち着き払った態度に感心させられたという。ことの一部始終はとても和やかだったと話すコートさん、人間のほうが落ち着いていれば、クマも落ち着きお互いに共存できるとコメントしている。コートさんはこの動画に、『カナダ人流、自然動物との接し方』とタイトルを付けている。

 

 

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