2017年3月30日 第13号

 連邦新民主党(NDP)党首選討論会が26日、ケベック州モントリオール市で行われた。第2回となった今回は若者支援が焦点。多額の学生ローン、就職難、経済の不透明、企業の不安定などの要素が若者を苦しめているという現状を踏まえ、こうした状況を打開する案を4人の立候補者がそれぞれ主張した。

 立候補者は、マニトバ州選出のニッキー・アニストン議員、ブリティッシュ・コロンビア州ピーター・ジュリアン議員、ケベック州ガイ・キャロン議員、オンタリオ州チャーリー・アンガス議員。

 アニストン議員は自身も30代と若く、同年代として大学を卒業しても堅実な職に就ける保証はなく、経済も安定しない中、若者は不安定な生活を強いられる危機に陥っていると共感した。

 ジュリアン議員は大学の授業料廃止、キャロン議員は基本所得制度の導入、アンガス議員は最低賃金の引き上げなどを主張した。

 NDPが若者支援に力を入れるのは、2015年の総選挙で若者からの支持が急落したことにある。これまで2008年、2011年と、いずれの総選挙でも若者層からの支持がNDPの議席数を押し上げてきた。2011年には野党第一党にまで躍進。初の政権奪取も視野に入っていた。

 しかし2015年は自由党が大勝。NDPを支持していた多くの若者が、自由党支持に回った。その結果大敗し、野党第一党の座も保守党に明け渡した。そして、選挙後も若者の支持率は下がっているという。

 2015年の選挙で大敗した結果、昨春の党大会でトム・マルケア党首交代を投票によって可決。2019年の総選挙に向けて、ようやく本格的な党首選が開始した。

 

 

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