2017年2月2日 第5号

 クレジットカードや銀行カードに記録されている情報を不正に読み取るスキミング。そのための小型化して発見されにくくなった読み取りツールが、使用され始めている。

 以前の『スキマー』と呼ばれた読み取りツールは、現金預入機のカード挿入口に追加でつけた、挿入口のような格好をしており、注意して見れば誰でも気がつくものだった。

 それに対し『シマー(shimmer)』と呼ばれる新手のツールは、およそカードの三分の一程度のプラスチックシートで、厚さはほとんどないに等しい。これを、あたかも現金預入機やカード支払機を普通に利用しているようなふりをしながら、『シマー』を内部にセットしておけば、あとはこのツールが挿入されたカード情報のみならず、入力された暗証番号までも記録する仕組みだ。

 犯罪者は後日、このツールに蓄えられた情報をダウンロードする特殊なカードを、やはり普通に操作しているふりをして挿入、その情報を持ち帰る。

 最近、この『シマー』が仕掛けられた店舗を捜査したブリティッシュ・コロンビア州コキットラム市連邦警察(RCMP)は、外部からは確認できないツールのため、たとえばカードを挿入したあとに引っ掛かりを感じたなど少しでも異変を感じたら、すぐさま警察に届けるよう呼びかけている。

 警察は、事業者には端末のチェックを怠らないこと、利用者にはこうした詐欺手口があることを周知しておくことを求めている。また、最近の多くのカードに備わっている、挿入ではなく読み取り機にかざす(タップする)機能を利用すると、限られた情報しか機械に送られず、それだけではカード偽造ができないと、同警察の経済犯罪課は取材に説明している。

 

 

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