2016年9月1日 第36号

 中高年のためのスポーツ・イベント、アメリカズ・マスターズ・ゲームが、8月26日より9日間の予定でブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーで開催されている。参加者の年齢制限は、最低が30歳で上限は設けられていない。

 この大会では様々な陸上競技が5歳ごとのカテゴリーで開催されるが、100メートル走の100歳超カテゴリーに、リッチモンドに住むニヘール・ギルさんが挑む。ギルさんは今年101歳。このカテゴリーの出場者はギルさんを含め2人、つまり一騎打ちの状態。ギルさんの対戦相手は彼より1歳若いが、自分が銀メダルに甘んじることはないと、取材に語っている。ちなみに、この対戦相手もギルさんと同じインド・パンジャブ州出身だ。

 ギルさんがカナダに移民したのは40年以上前のこと。孫のゲーリー・シンさんは、インドの自然食文化がギルさんの健康を支えてきたと取材に語っている。ギルさんはカナダに来てからも、オーガニックの食品を食べ続けているという。いまでも血圧、コレステロールなどは平常値で薬いらず。歯医者にもかかったことがなく、入れ歯も一本もない。生活のことは入浴、調理なども自分でこなしている。

 その人生の大半を農家として働いてきたギルさん。カナダに来てからは家族が経営する建設業に96歳まで従事。しかし2014年冬に肺炎を患い、医師からは先は長くないと告げられた。病院では薬剤や化学的な栄養剤ばかり与えられていることに気がついたシンさんは、ギルさんを家に連れ戻し、もとのオーガニックシェークなどの食事に戻した。

 同じ頃、やはり肺炎にかかって医師を訪れていた80歳の男性は、その数日後に亡くなっていたが、ギルさんは大会に出られるほどに回復した。

 そんなギルさんには最近、アメリカ・ワシントン州シアトルにある健康食品会社からスポンサーの申し出もあった。

 

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