2016年8月18日 第34号

 ジャスティン・トルドー首相は16日、ニューブランズウィック州ブリッジタウンでの記者会見で、国民の安全と自由の権利の両方を堅持するにはバランスが必要との認識を示した。

 10日にオンタリオ州ストラスロイで起きた爆破未遂事件で、容疑者がイスラム国の影響を受けていたテロリストである可能性が判明したことについて記者からの質問があった。

 爆破未遂事件は、アーロン・ドライバー容疑者が警察に取り囲まれ、タクシーの後ろ座席に載せていた爆発物を爆発させた事件。容疑者は死亡、その後の司法解剖で警察の発砲による死亡だったことが確認されている。

 爆破の被害は少なかったが、爆破計画がアメリカの連邦捜査局(FBI)からカナダの警察当局に、カナダの主要都市で同容疑者が爆破を計画しているとの連絡が入り明らかになったことが問題視されている。

 これについて聞かれると、トルドー首相は直接的な明言を避けた。同容疑者は2014年からすでに警察が要注意人物として注意をはらっていた。

 それにもかかわらず今回アメリカからの連絡によって計画が明らかになったことに対し、トルドー首相はテロリズムから国民を守る安全対策と、国民の自由の権利を保証する対策はバランスが必要とのコメントになった。

 自由党政権になってから、保守党政権で強化された警察への権限増大を軽減する政策がとられている。これに対し野党保守党は強く批判している。

 

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