ブリティッシュ・コロンビア州にいくつものキャンパスを展開する、職業訓練大学スプロット・ショウ・カレッジの校長パトリック・ダンさん(59歳)は、子供の頃から音楽を楽しんできていた。

 10代を過ごした南アフリカ・ヨハネスブルクではアマチュアバンドに参加、最終的にはリードボーカルになる。あの頃は本当に熱中していたと、当時を振り返るダンさんだったが、バンドが解散したことや24歳で結婚したことを機に、普通のサラリーマン生活に入った。

 1990年代中ごろに家族でカナダに移住、1男1女の子供たちもすっかり成人した5年前に、ダンさんは自宅ベースメントに音楽スタジオを構え、再び音楽に熱中できる環境を整えた。そして彼の情熱は、友人から紹介されたカラオケ大会へと勢いを加速させていった。

 4年前に初参加で州大会の準々決勝進出、翌年には全国大会に出場を果たした。ダンさんは大会出場に際し、あえて難しい曲を選ぶようにしている。毎週木曜日ごとに、計10回開催された今年の州大会ではクィーンの「リブ・フォーエバー(Who Wants to Live Forever)」、シールの「愛の神(Love's Divine)」、ワン・ダイレクションの「シークレット(Secrets)」を歌い、最終日の7日には見事優勝を飾った。

 今年の世界大会は初めてBC州で行われるため、優勝したダンさんはカナダ国内大会での競技が免除となり、世界大会出場が決定した。

 今までの世界大会優勝者は、コンサートツアーを行い、レコード会社との契約を結んでいる。もしダンさんが優勝したらどうするかとメディアが質問したところ、年老いてから昔を振りかえった時に「あの時やっておけば…」ということは言いたくないね、と答えていた。

 

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