オンタリオ州ウェランドのアンソニー・ヨフィードさん(23歳)は、ロックバンドのエアロスミスの大ファン。そのリードボーカル、スティーブン・タイラーのソロ・コンサートがつい先日、地元のナイアガラ・フォールズのカジノで行われたのだが、ヨフィードさんはこのコンサートのチケットは入手しそこなっていた。

 そんなヨフィードさん、3月31日にたまたまナイアガラ・フォールズの薬局で、母親の買い物に付き合っていたところにスティーブン・タイラーが現れた。彼は腰のサポーターを買うために、薬局に立ち寄ったところだった。

 母親の後ろに立っていたヨフィードさん、「信じられない、スティーブン・タイラーだ」とつぶやくと、ハグをした写真を撮らせてほしいと申し出た。スティーブン・タイラーは快諾するのみならず、彼がコンサート・チケットを入手できなかったことを知ると、その晩のバックステージ・パスを彼らに提供した。

 母親は夜勤のためコンサートに行けなかったので、代わりにヨフィードさんのダンス講師ジョーダン・セタッチさんが同行、ステージ脇からコンサートを観ることになった。

 スティーブン・タイラーはエアロスミスの名曲『スィート・エモーション』を歌い始めると、ヨフィードさんをステージ上に招いて黄色いマラカスを手渡すとともに聴衆に彼を紹介し、歌い続けた。

 コンサート後メディアの取材に対してヨフィードさんは、まさか自分がスティーブン・タイラーとステージに立てるなんて思ってもみなかった、夢が現実になったと興奮気味に語っていた。

 スティーブン・タイラーがカナダのファンにサプライズをプレゼントするのは今回が初めてではない。昨年はBC州ケローナの公園で、夏の間だけ設置された公衆ピアノで『ドリーム・オン』を演奏したり、その1週間後にはアルバータ州エドモントンのホテルで、迷子になった彼の犬を見つけた新婚夫婦と気軽に会話をしたりしている。

 ヨフィードさんとスティーブ・タイラーはその後もテキスト・メッセージを通じて交流を続けている。腰のサポーターを買うためにドラッグストアに立ち寄ったスティーブン・タイラーはヨフィードさんの母親に「いや、自分は新しい友達アンソニー・ヨフィードに会うために、ここに来たんだ」と語っていたという。

 

System.String[]

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。