動きの速い弾けるオーロラ

真上でブレイクアップ


1月のイエローナイフは、マイナス20度ぐらいに気温が下がり、例年より、ひと足遅くオーロラのシーズンがやってきました。今回は、イエローナイフの観賞スポットでのオーロラの探し方をお話します。

ツアー会社が案内してくれる、大きな凍った湖の上に到着したら、星座から方角の確認をします。まず、北斗七星を探し、ひしゃくの水をすくう部分から、1 番目と2番目の星を結んだ長さを、均等に5倍ほど伸ばしてみます。そこに見える小さな光の星が北極星。その方向が北なので、東西の空がわかります。

オーロラは地球の磁極を中心にリング状に浮かんでいるので、東西に伸びる光の帯が見えたら、それがオーロラです。強い光のオーロラはすぐにわかります が、弾けるオーロラの兆候として出てくる薄いオーロラは、薄い雲や遠くのヘッドライトの光などと、見間違えることも少なくありません。特に雲や月がある夜 の微妙な光は、経験豊富なオーロラのガイドですら、判断に迷ってしまうほどです。

次に東西に伸びた光の帯がどう動くかを観察します。もし、北の空へ動いて地平線の向こうに消えたら、その夜は、あまり期待できません。反対に南の空に消えたときは、要注意。もう少し外にいて空を観察することが大切です。

なぜなら、南の空から戻ってくるときに、勢いよく弾けて、その夜のピークを迎えることが多いからです。

特に南から弾けてくるオーロラは、時速約4千キロという、すごいスピードで頭上へ迫ってくることがあります。南の地平線のギリギリに見える光の帯は、約 千キロ先にあるオーロラです。この距離は、イエローナイフからだと、エドモントンの上空付近。飛行機で1時間半もかかる距離を、オーロラは、わずか15分 で戻ってくるわけですから、その速さには本当に驚かされます。

オーロラがあっという間に空を覆い尽くし、空全体がうねうねと動く様子は、一度目にしたら忘れられない光景です。真上で弾けるオーロラは、一生に一度は見て欲しい地球の神秘です。

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これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。