2005年11月24日号(#48)にて掲載


空全体に広がった弾けるオーロラ


チーフガイド 福島 洋輔


イエローナイフで真上で弾けるオーロラを見てみたい。でもどうせ行くなら、いちばんオーロラ見える時期に行きたい。そう思っている人はたくさんいることでしょう。

オーロラは、実は一年中出現しています。でも、5月から8月上旬は、白夜に近いため、ほとんど見えません。そして、10度からマイナス15度ぐらいの気 温になる10月と11月も、雪が降る日が多く、厚い雲に阻まれてしまう日がほとんど。実際、今年の10月半ばから11月半ばまで、わずか数回しかオーロラ に会えていません。

「今日は寒いからオーロラがよく見えるよ」。冬になると、地元の人が挨拶代わりに話すのをよく耳にします。でも、正確にいうと、オーロラは寒いとよく見 えるのではありません。気温がマイナス25度を下回ると、放射冷却現象により、晴れる日が多くなり、結果として、オーロラがよく見えるというわけです。

というわけで、寒さがきびしくなる12月から、夜がほとんどなくなってしまう前の4月中旬までが、オーロラのベストシーズンとなります。実は、3年前、 1月5日から2月28日までオーロラの連続観賞55日を記録した年がありました。確かに平地で山がなく、冬は周囲の湖も完全に凍るため、雲ができる気象要 因が極めて少ないエリア。ですが、年によっては稀に気温が高くなり、曇りが数日続くことも…。

「極北は、天気が変わりやすいところ。天気予報が雪でも、深夜遅くまで粘ったおかげで、オーロラが見えて感動したことが何度もあります。上層の雲の流れ を判断できるかどうかも、オーロラに会うには、重要なポイントです…」とは、カナディアンEXのチーフオーロラガイドの福島洋輔さんのコメントです。

オーロラはイエローナイフに来れば見えるのですが、本当にきれいな弾ける瞬間を見たいなら、オーロラを熟知したガイドと待つのがいちばん。もちろん、暖の取れる観賞キャビンが側にあり、360度見渡せる湖の上などで見ることも大切です。
冬のベストシーズン内なら、オーロラを見たいと思った日が吉日。足がすくむようなイエローナイフのオーロラは、高い航空運賃を払っても惜しくない、最高に大きな感動があります。

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