バンクーバーのほかに4つの地域で教室を開いているJEC。ナナイモ通りの本校はスカイトレインのナナイモ駅から歩いて行けます。サッカークラブや空手、ポンポンなど日本語でのアクティビティーも提供しています。


教科書が難しい
江川元明先生が寺子屋式に日本語を教え始めたのは17年前。集まってきた生徒の中には、日本語学校を途中で辞めたという生徒も少なくありませんでした。その理由には授業が楽しくない、授業についていけない、などがありました。
小学2年生の『上』の教科書に出てくる単語なら聞いて何とかわかる生徒も多いでしょうが、3年生になると聞いたこともない言葉が増えます。『森』は知っていても『森林』だとわからない。『花』や『草』を知っていても『植物』は何のことかわからない。『乗客』『出血』など、カナダで育つ子どもには聞いたこともないような単語がどんどん増えていきます。

 

レベルに合わせた授業
教科書中心の国語教育では無理があると考えた江川先生は、レベルに合わせた授業を開始。そのためには、ひとりの生徒のために教科書を作ったこともあったそうです。
ひとりひとりの能力に合わせると言っても、子どもにもプライドがある訳ですから、内容を吟味した上で、能力別に目標を定めています。日本の教科書の表現を、もっとわかりやすい言葉にして指導することもあります。短い文章を確実に読めるように、何度も復習して時間を計ります。1回目は1分以上かかったけれど2回目は何分で読めた、など。


みなさんの学校です
と、ここまで勉強の話ばかり書いてしまいましたが、クラブや工作も楽しそうです。サマーキャンプでは水遊びや公園への遠足など、普段の授業では出来ないイベントが盛りだくさん。2時間コースのほか5時間コースもあるので、都合に合わせた選択が出来るのも便利ですね。
便利といえば、この学校の便利さはいろいろな地区にあるという点ではないでしょうか。ナナイモ通りで教室を始めた当時、ラッシュアワーと重なり40分かけて帰宅する生徒がいました。それで「場所を探して周りに声をかけて生徒も集めますから」という保護者からの要望で分校を開いたとのこと。今ではノースバンクーバー、リッチモンド、コキットラム、ホワイトロックでもJECの教育が受けられます。ロケーションや通学時間というのは、学校選びの重要なポイントでしょう。


日本語でスポーツ
子どもにスポーツをさせたいけど、何が向いているのかわからない。土曜日だと日本語学校と重なってスポーツは無理かも、と考えていた保護者には耳よりのニュース。ナナイモ本校では土曜日の午後、サッカークラブ、空手教室を開いています。
本格的なサッカーリーグに入会するよりも、まずはトライアル的にやらせてみたい。そんな要望に応えて、5月から11月まで近くの公園でサッカークラブを実施しました。ボールを蹴り、走り回る子供たちを見て、保護者も大満足だったようです。そして雨の季節には5歳以上を対象に空手を教えています。ここでは正しい日本語を聞きながら、礼儀も学びます。そして女の子にはポンポン・クラブが人気。
日本語学校でスポーツやアクティビティーをしてもらえるなんて一石二鳥。保護者にとってこんなに便利なことはありませんよね。

(取材 ルイーズ阿久沢)

 

JEC日本語教育センター
3690 Nanaimo Street, Vancouver BC V5N 5H1
電話 (604) 433-4773

http://www.jecvan.com

 

2009年12月10日発行#50に掲載

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