オンタリオ州ウォータールーに本社のあるスマートフォンメーカー、ブラックベリー社は5日、オンタリオ州本社とフロリダ州で200人の人員削減をすると発表した。

 同社は現在、企業方針の方向転換中で、人員削減など大規模な改革を行っている。今回の対応もその一環と発表している。昨年9月にも約200人を解雇した。その時には、同社スマートフォン用オペレーションシステム(OS)BB10に関係する職員を解雇したことが分かっている。BB10は2013年1月に発表され、最近の同社機種に搭載されている。評価は悪くなかったが、アップル社のアイフォンやグーグル社のアンドロイドの勢いに食い込むほどの効果はなかった。

 ブラックベリーは改名前のリサーチ・イン・モーション(RIM)社時代に、スマートフォンを開発した先駆者で、一時は世界のスマホ市場を席巻していた。セキュリティに定評があり、政府関係者が愛用していることでも知られている。しかし、アイフォンやアンドロイド系スマホの登場で一般消費者の間では、その勢いは急速に下降、現在はほとんどシェアを奪われている。

 その救世主的OSとして開発されたBB10だったが思うように伸びず、昨年11月には同社としては初めてOSにアンドロイドを使用した機種を発表した。今年中にも、もう1機種アンドロイド系が発売される予定で、その結果次第でその後の同社の方向性が決定するとされている。

 

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