〜5人の日本人ダンサーが出演〜

12月16日、バーナビー市の マイケル・J・フォックス劇場で

バレエ・ビクトリア(以下BV)は13年前に創設され、ポール・ディストルーパー氏(以下D氏)が2007年より芸術監督に就任した。多くの卒業生がBVに入団しているバレエ学校「ビクトリア・アカデミー・オブ・バレエ(以下VAB)」も運営している。現在は5人の日本人ダンサーが在籍してバレエ公演に出演している。 同団によるバレエ公演『The Gift』は、BV独自の演出の『くるみ割り人形』。今冬のBCツアーでは、バーナビーで彼らの公演が開催される。

*読者プレゼントのお知らせ*

バレエ・ビクトリアのバーナビー公演「The Gift」(12月16日)のペアチケットを2組にプレゼント!!

詳細はパート1の5ページをご覧ください。

 


 

質問1. ダンサーへの経緯は?

質問2. カナダに来たきっかけ、今も同地で活動している理由は?

質問3. 現在のダンサーとしての活動内容や信条は?

質問4. 仕事以外の活動(趣味など)は?

質問5. これからの抱負は?

 

小林 莉沙(こばやし りさ)

東京都出身。3歳からバレエを始める。中高生時代に北米への短期留学を何度か経験しバレエ留学志願。腰の故障により一時期バレエを中断するが、一年半後のバレエ復帰後にVABに入学。同校卒業後2011年BV入団。

質問1:中高時代からプロのダンサーになって海外で踊りたいという夢を持ちましたが、腰の骨を疲労骨折。あえなくプロの道を諦めバレエから離れて大学に進学。この時期にバレエへの熱意を再確認しバレエに復帰。同時にプロとして海外で踊る夢を叶えようと決意。

質問2:大学進学後にバレエに復帰した頃、カナダのバレエ学校の試験で2週間カナダ滞在。その時BVのD氏と出会いVABへの入学を決め、日本の大学退学後に渡加。VAB時代はBVに毎日参加し、数多くの公演に出演。卒業間近に志願中の入団が決定しBVでプロになって今年で5年目。

質問3: BVでは朝1時間半のバレエクラスがあり、そのあと途中に昼食時間を挟んで夕方まで公演に向けてのリハーサル(以下リハ)。公演やツアーがない時期は、小学校での演舞、スタジオで公開リハなどの活動も。1シーズンに4演目の公演。BVは小さなバレエ団。ダンサー同士が切磋琢磨し合い、お互いサポートし合いながら、常に成長できる環境。D氏のバレエに対する情熱や考え方が素晴らしいので作品作りに参加して多くのことを学んでいます。このバレエ団で働けることに喜びを感じています。

質問4:日本に帰国時にバレエや身体を整えるクラスを行っています。怪我のリハビリで始めた身体に効果的なピラティスを10年近く続けていて、教える資格の勉強中です。

質問5:これからも感謝の気持ちを忘れず、各舞台を大切に、観客と最高の瞬間を共有していきたいです。常に高みを目指し、私ならではの踊りを探求し、経験や知識をバレエの指導者として活用したいです。

 

太田 紫乃(おおた しの)

大阪市出身。3歳前からバレエを始める。スイスのオペラ座附属バレエ学校へ入学し、翌年にオランダのナショナル・バレエ・アカデミーに入学。その後ルーマニア国立バレエ団に入団し活動後、2015年にBV入団。

質問1:短期大学へ進学するものの、バレエの道に挑戦するため退学を決意。翌夏にスイスのオペラ座附属バレエ学校へ入学。初めての海外生活で一人暮らしをし、たくさんの出会いを体験。バレエと向き合いさらなる上達を目指し、翌年にオランダのナショナル・バレエ・アカデミーに合格し入学。同校はオランダ国立バレエ団との関わりがあり、バレエ団の舞台に参加。プロのダンサーとしての入団は難関でしたが、根気強く挑戦を続けルーマニア国立バレエ団に合格。初めは苦悩を感じることもありましたが、ダンサーとして認められて幸せでした。多くのサポートがあって今の自分があることに感謝しています。

質問2:ヨーロッパ内のみのオーディションからルーマニアを離れ、さらにダンサーとしての可能性を広げて飛躍したくて今回の渡加を果たしました。

質問3: 朝のクラスでダンサーはそれぞれの体調を確認し調整。リハではさらに微調整後、リラックスして本番に。私は準備を整え舞台の床を確かめながらオーケストラのチューニングを聞く瞬間が一番好きです。仲間と励まし合いながら本番を楽しむ、なんともいえない充実感! バレエの世界で強く我を張ってアピールするライバルに勝ち残ることは至難の業。ダンサーの信条として一喜一憂しない強い精神力を持つこと。控えめで落ち込みやすい性格が自分を苦しめてきたので、私にとって大きな課題。

質問4:散歩や買い物、ジム通いや友人と食事をしたり、部屋でネットしながらのんびり自由に過ごしています。

質問5:ダンサーとして人間として成長していきたいです。

 

渡辺 優衣(わたなべ ゆい)

新潟県出身。4歳時にモダンバレエ教室でバレエを始める。高校は京都バレエ専門学校に入学。高校卒業後アメリカのミスティクバレエ団に入団。2015年よりBVに入団。

質問1:中学時代に将来はバレエで、と決意。バレエを基礎から習った高校三年間は成長できた時期に。高校の授業のコンテンポラリー(コンテ)が好きになり、高校卒業後にコンテが盛んなアメリカのミスティクバレエ団に入団。

質問2:BVにはアメリカからビデオを送り合格し渡加。アメリカのバレエ団は就労ビザ取得がとても厳しい状況。ダンサーを職業として活動していくのにカナダのBVに入団。

質問3: 入団初年度ですが BVですでにたくさんの公演で踊りました。モダンやジャズと慣れていない振りつけの作品へのD氏の丁寧な指導に感謝。日々の朝クラスは基礎重視なので、毎日踊りながら新しい発見をしています。

質問4:スイーツめぐりが趣味です。

質問5:BVのダンサーの皆さんから教えてもらう毎日です。そのことに感謝しながらパワーアップして、自分にしかできない踊りを目指します。世界で2番目に大きいカナダで踊れるのは夢のようです。今の自分は大きな成長と夢の証しです。

 

水津 明音(すいづ あかね)

大阪府出身。9歳からバレエを始める。高校3年時にカナダのロイヤル・ウィニペグ・バレエ学校のサマースクールに参加。ダンサーへの道を決意し高校を中退。2012年8月にVABに留学、2014年からBV団員として活動中。

質問1&2:高校生の時にバレエスクールのオーディションツアーに参加したことがカナダに来るきっかけに。VAB時代からダンサーの代役や、コールド(群舞)としてBVの公演に出演。

質問3: 日々のレッスンはとても大切。稽古の積み重ねは全て大きな舞台で踊るため。クラスとリハは全く別物で、レッスンは自分一人が中心でリラックスした状態で集中して踊っていますが、リハでは周りや相手役を考慮して踊ります。常にアンテナを張っている気分です。

質問4:映画を見るのが好きです。怪我の手術後、なかなか治らずダンサーへの夢が頓挫しそうになって以来、自分の身体に対する知識を増やし理解しながら踊っていこうと理学療法の勉強をしています。

質問5:自分に負けないこと。どんな時にも自分をしっかり持って夢に向かっていきたい。大変なこともあるけど、BVのダンサーの踊りに対する気持ちは本当に素敵!

 

京口 晴香(きょうぐち はるか)

兵庫県出身。3歳の時にバレエを始める。高校時代に参加したVABのオーディションへの合格がきっかけで渡加。バンクーバーのバレエスクール、アメリカのrock schoolを経て2015年にVABを卒業後、BVに入団。

質問1&2:どんどんバレエに意欲的になっていきワークショップやコンクール出場もするように。十代には外国人のダンサーをお手本にし、海外でダンサー志望。VABを卒業しカナダのバレエ団へ入団希望が叶って、卒業前にBVに入団できました。

質問3: 朝のクラスは大切です。全ての作品はクラスの基礎を元に振りつけられているので、集中して自分の注意点を発見するかが上達の鍵。舞台でどのように踊るか意識しながらクラスを受けています。リハではD氏が求めることを十分体現し、観客に対してプロとして踊っています。怪我をしないように身体をケアすること。私は一度大きな怪我をしたので、健康で踊れる身体のありがたみが身に沁みています。踊る前後に体を整えるストレッチ、マッサージ、鍛錬もし、食事面にも気を使っています。

質問4:舞台やミュージカルや映画を鑑賞するのが好きなので、動画をみたり、曲を聴いたり、劇場に鑑賞に行きます。よくお料理をしています。

質問5:ダンサーとして色々な作品に出会いたいです。そして、そのたびに成長していきたいです。

 

バンクーバー新報読者の方々へのメッセージ

 まだバレエを観たことがないという方はぜひ、BVの公演へ! 公演をご覧頂けたらちょっと堅苦しいバレエへのイメージが180度変わります。映画やライブに行く気楽さでバレエ鑑賞して頂けますよう、劇場でお待ちしています。

(取材 北風 かんな)

 

公演名 :『The Gift』

開催日時 : 12月16日(水)7 : 00 PM

会場 : バーナビー市マイケル・J・フォックス劇場

チケット : $30(大人), $25(学生、シニア), $15(12歳以下)

連絡先 : 604-559-5708

オンラインでの購入 : This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it.

 

入団5年目で、芸術監督のD氏の振付けの『アマデウス』でMatthew Cluffさんと踊った小林莉沙さん

 

今年入団した太田紫乃さん

 

京都バレエ団で作品『ラ ビバンディエール』のソリストとして踊った、今年入団した渡辺優衣さん

 

今年入団2年目の水津明音さん

 

今年入団した京口晴香さん

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。