SPECIAL 2008

2008年8月7日 第32号 掲載


JBNビジネスセミナー 
バンクーバーで開催 パート1 


会場の様子



 JBN(Japan Business Network)によるビジネスセミナーが7月16日バンクーバーダウンタウンで開催された。

 講演者はJBNビジネスセミナー実行委員会を構成する石田淳さん、泉正人さん、嶋津良智さん、鮒谷周史さん、本田直之さんの5人。司会進行役はブルーツリーマネージメントの岡本裕明さんが務めた。

 講演は2部構成で、第1部は「できるビジネスパーソンのビジネスマインド」、第2部は「できるビジネスパーソンの仕事実務」というテーマでそれぞれの経験をもとにした話が繰り広げられた。

 約150席用意されていた会場には、席が足りなくなるほどの人が集まり、中にはシカゴからわざわざこのために駆け付けた人もいるほどだった。会は終始笑いが絶えない和やかな雰囲気で進んでいった。

(取材 三島直美)

 開会に際して、協力団体の企友会吉武政治会長があいさつ。今回バンクーバーでの開催は、自分が嶋津さんのメールマガジンを読んだことから知るきっかけとなったことを紹介。そして、他の日系ビジネス団体であるバンクーバービジネス懇話会、日加協会、バンクーバー木曜会、日系女性起業家協会(JWBA)、日加商工会議所の協力と、今年の日加修好80周年を迎えた記念行事として、在バンクーバー日本国総領事館の協力のもと多くの人に聞いてもらえるきっかけになったと話した。

 セミナー終了後は、5人を囲んで立食パーティが行われた。それぞれ自分の興味のある話に花を咲かせながら、楽しい時を過ごしていた。

 会の最後には、まずJBNから今回セミナー中に販売していた講演者の著書の売上金全額1580ドルが日加ヘルスケア協会へ寄付された。協会からアドバイザーのアンディ九十九さんとBC州公認クリニカルカウンセラーの原田直子博士が代表で受け取り、「思わぬことで、びっくりしています。ありがたいことですね」と笑った。

 また、参加者の中から1人に日本航空から東京・バンクーバーの往復チケットが当たる抽選が行われ、ランガラ・カレッジに勤める青柳智恵さんが当選した。
 参加者たちは時間の許す限り、楽しい団欒のひと時を過ごしていた。
 ここからは、セミナーの内容を要約して紹介する。

第1部「できるビジネスパーソンのビジネスマインド」

 まず嶋津さんが5人を代表してあいさつ。JBNのきっかけと活動を説明した。

 JBNは、世界で活躍する起業家およびビジネスパートナーを応援する目的で結成されたボランティア組織で、本田さんのハワイ移住が決まったことをきっかけに、仲間が集まるなら何かやろうという本田さんの提案で、ハワイでセミナーを実施。その評判がよく、同年9月に嶋津さんのシンガポール移住の時も同様に行った。これで、「もしかしたら自分たちにも何かできるのでは?」という考えからJBNを発足した。

 現在世界の在留邦人ベスト10の地域でセミナーを開催しており、去年のハワイとシンガポールを皮切りに、今年1月ロサンゼルス、4月上海と香港、7月にバンクーバー、11月シドニーとゴールドコースト、来年は、4月にニューヨーク、7月にロンドン、11月にタイのバンコクで予定している。

企業の決意とビジネスマインド

岡本さん:どんな経験をして、どんなビジネスマインドを育んできたのか、起業を決意したプロセスや理由を聞かせてください。

泉さん:私は10年前まで東京渋谷で美容師をやっていました。結構おもしろく、将来お店を持ちたいというのはありました。でも結局美容師をやめ、それから2年くらいフリーターをやっていましたが、ITのベンチャーで働く機会があり、ちょうどITブームでいろいろ勉強させてもらいました。面白くて、ほんとに仕事に没頭しました。
 それから母親の死に直面して、人生悔いのないようにと思うようになり、起業しようと決意しました。
 今から振り返ると、何にも続けられなかった頃は、夢や目標がなくて、何やってもつまらなかった。本当に自分が没頭できるものを見つけた瞬間に、自分が変わって、発進しようという気持ちになりました。それからは楽しく仕事をやっています。

嶋津さん:この前、上海のセミナーで運について質問されたんです。その時話したこととは運のつかみ方。私の運のつかみ方というのは、自分より優秀な人、優れている人にあえて流されるということです。自分が特に優秀だとも思わないし、運が人よりあるとも思わない。ただ、自分より優秀な人、自分が素晴らしいと思う人には流されるようにしています。
そして、こうした人たちに自分が返せるものは何もないけれども、他の人に何かをすることで返せるのかなと。与えてもらったものを他の人に贈るという考え方ですよね。たくさんの縁と運をもらって、それを今度はこういう場を含めていろいろな人に返すことができるのではと思っています。

持続し続けること

岡本さん:ビジネスを始めてもこれを持続していくことが難しいと思います。皆さんそれぞれに、ビジネスだけに限ったことではないですが、続けていることを教えてもらえますか。

石田さん:ひとつは、ビジネスは体力気力に影響される部分が大きいので、ほぼ毎日走っています。30分、4〜5キロくらい走って体力作りをしています。二つ目は、考えるトレーニングです。すべて逆算思考で、目標がここだから、これを分解して細かくすれば、どういう風になっていくんだろうと逆に考えていくというトレーニングです。大体一日2〜5分程度やっています。3つ目は、暇があると本屋さんに行って、どんな本が売れているか、世の中の流れはどうなっているかというのを見ています。週に1回は実行しています。

泉さん:意識していることは、働かないということ。とにかく働かない(笑)。どういうことかというと、頭も体もフリーの状態を作っていくことです。私はこれを「仕組化」と呼んでいますが、仕組化をしてすべてを任せることで、完全に自分がフリーになる。完全にフリーになった状態で、頭もすっからかんになった状態で、ぼ〜っと散歩とかしているといいアイデアが浮かんできたりします。目の前の業務に追われるのではなく、業務をなるべく誰にでもできるように効率よくして、とにかく自分の自由の時間を作り、新しい仕事を生み出す。私はある意味意識して、働かないように頑張っています(笑)。

嶋津さん:毎日まずはじめに、何をやらないかを決めます。そうすると絶対やらなければいけないことが残るので、それをやる。物事をやらない勇気を持つというか、やらない癖を付けるというのは常に意識しています。やらないことを決めてどんどん捨てていくと、捨てて空いたスペースに人は新しいことを入れていくんですね。そうすると自分がやらなければならないことなどのいろいろなクオリティがどんどん上がっていきます。やらないことの判断基準は、仕事が終わった時にあるべき姿、ゴールです。1週間でも、1カ月でもいいので、ゴールを決めます。そのゴールに向かって必要なことを考え、必要でないものは捨てる。そうすると、常に最短で行けるということですね。僕は「最短思考」と呼んでいます。これで、ものすごくクオリティの高い行動や時間の使い方ができると思います。これはぜひお勧めしたいですね。

鮒谷さん:僕は毎日30分くらいメールマガジンを書いています。今40万人の読者さんがいて、読者層は中小企業の社長さんや、独立志望の方、大手中堅の会社員、勉強熱心な学生さんです。ここに対しての広告ビジネスという形で商売をしています。毎日やっていることって、メールマガジンを書くだけです。それ以外では、ご飯を食べたり、本を読んだりくらいで、あとは特に何もしていないんですけど(笑)。これまで累計で3億通配信しています。配信していると、受信も多くあるんです。これはネットによる人とのつながりを維持、発展させてもらっていることだと思います。そして結果として、いろんなビジネスをやっていきませんかという話をいただくことにつながっていく。毎日情報を発信するというのは結構めんどくさいんですよ。めんどくさいんだけれども、いいシステムだなと思います。得た情報を流していくことによって、またビジネスも大きくなっていくのかなと思います。

本田さん:僕はめんどくさがりやで、セルフマネージメントができない人間で、飽きっぽくて怠けものなんですね。しかし、学生時代ハワイに住みたいと思っていたので、この性格でそれをするためには何をしたらいいのかを突き詰めて考えたんです。そうして出た答えが、意識して何かやろうと思うと無理があるので、無意識化というか習慣化できるようにしようということです。これは意外に簡単で、まず無意識化するために無意識化できるまで意識的に物事をやります。たとえば、今日こういう習慣をつけたいというのがあれば書いておいて、朝、これをやろうと意識する。こういうのを3週間くらい続けると、結構意識しないでできるようになるんですね。いきなり大きなことを始めようとすると無理なので、僕は最初にしょぼいことを習慣にしました。例えば、脱いだ靴を揃えるとか、洋服とかを脱いだら掛けるとか(笑)。でも、最近脳科学の本を読んでいたら、これが脳にイイらしいんですよね。
 もう一つは、これも無意識化の一つなんですけど、1日考えないで行動できるようにある意味自分を型にはめる。パターン化する。どうしているかというと、時間割を作っています。これも馬鹿げた話だなと思うんですけど(笑)。私は自分の時間割通り生きています。これって結構堅苦しいと思われるんですけど、大人の時間割は結構自分で決められるし、自分の意思なので、堅苦しいとは思わないんですね。こういう簡単なことを馬鹿にしないでやっていくというのを僕は続けています。

岡本さん:皆さんお忙しい方なので、時間の使い方が難しいことだと思います。同じ24時間をどのように活用するかということだと思います。それぞれにタイムマネージメントの仕方があるようですね。
(続く)