SPECIAL 2008

2008年5月22日 第21号 掲載


老齢保障年金
(OAS: Old Age Security)について



 カナダ政府は一部年金受給制度を改革し、今年3月1日からいよいよ施行されることになった。一部改正とは、カナダ政府が協定を結んだ諸外国でもカナダの年金が受給されること、そして対象国の年金をカナダで受給できるというものである。

 そこで今回は、カナダの年金制度について紹介する。カナダ政府ウェブサイトを要約して紹介するため、内容は一般的な概要に触れる形になっている。各個人によって、条件がさまざまに変わるため、詳しいことは、担当機関、サービス・カナダに必ず問い合わせを。


OAS年金とは?
 65歳以上のカナダ人、もしくはカナダに10年以上住んでいる人に毎月支払われる年金制度のことで、特に掛け金を必要としない年金制度。65歳までに一定の掛け金を支払い、退職後年金を受給するカナダ年金(CPP: Canada Pension Plan)とは区別される。(こちらは次回紹介する。)

受給資格者
 受給資格は基本的に、年齢とカナダ滞在年数によって決定される。

カテゴリー1 カナダ在住者:
1.年齢65歳以上の者、
2.OAS年金の受給許可が下りた時点で、カナダに在住し、カナダ市民権、もしくは法的な滞在許可を有している者、
3.18歳以降、最低10年以上カナダに在住している者

カテゴリー2 カナダ国外在住者:
1.65歳以上の者、
2.カナダを離れた時に、カナダ市民権、もしくは法的な滞在許可を有していた者、
3.18歳以降、最低20年間カナダに在住していた者

 上記カテゴリーのどちらかに該当する場合は、受給資格が発生する。左記カテゴリーに該当しない場合でも、受給資格を有する場合はある。カナダ政府は多くの国々と協定を結んでいるため、その規定にのっとり、カナダから、もしくは、他国から、あるいは両国から年金を受け取ることができる場合がある。

 日本は、2006年2月15日に協定を結び、2008年3月1日からこの協定が執行されているため、上記カテゴリーに該当しなくても、OAS年金受給資格が発生する場合もある。

 カナダでの在住期間が満たない場合でも、もし1952年1月1日以降、18歳以上でカナダに在住したことがあれば、1952年1月1日以降、18歳以上で日本の年金制度への保険料支払い期間と考えその期間、カナダ在住期間と見なす、となっている。

 しかし、これはあくまでも一般的な情報であり、すべての人に当てはまるわけではなく、またこの場合の手続きや受給資格範囲が複雑になっているため、これに該当すると思われる人は、直接サービス・カナダに問い合わせを。また、日本側の年金受給資格があると思われる人は、日本の担当省である厚生労働省に問い合わせをする必要がある。


申請方法
 申請時期:65歳になる6カ月前に自分で申請しなければならない。もし、代理人を立てる場合は、事務所に連絡を。

 申請書入手:HRDCのウェブサイト
http://www.hrsdc.gc.ca/eforms/index.htmlから印刷するか、1-800-277-9914に電話で郵送してもらうよう手続きをする(無料)。

 *申請書冊子には、申請書とともに、どこに申請するかなどの申請に関する詳しい情報が含まれている。

 申請時に必要な書類:出生証明書もしくは洗礼証明書。ただし、カナダ年金(CPP)をすでに申請して、このどちらかの書類をすでに提出している場合には、必要ない。もし、これらの書類が入手不可能な状況の場合は、サービス・カナダに相談すること。

 市民権、もしくは移民証明の公式書類:カナダで出生していない場合は、カナダに法的に滞在できる証明書、市民権や永住権などの書類を提出しなければならない。もし、18歳になって以降、継続してカナダに在住していない場合は、すべてのカナダへの出入国の正確な日付を証明する書類を提出しなくてはならない。一般的に、これはパスポートで可能である。

年金支給額はどのようにして決められるのか
 基本的に、OAS年金は、40の項目に分けられていて、40すべてに該当すれば、満額(Full pension)が支給され、そうでない場合は、部分額(Partial pension)が支給される。満額かそうでないかはカナダに在住していた期間によって決められる。

[満額の場合:Full Pension]
 以下、2つのカテゴリーの内どちらかにに該当すれば、満額支給される資格が生じる。
カテゴリー1 18歳以降、カナダに最低40年以上在住していること
カテゴリー2
1.1952年7月1日、もしくはそれ以前に生まれていること、
2.18歳になった時点と1877年7月1日の間でカナダに一定期間在住していること、
3.申請書が承認される直前の時点で、カナダに10年在住していること。

*カテゴリー2は3条件とも満たしている必要がある。


 もし、ある時点でカナダに在住することをやめたために、過去10年間のすべての期間をカナダに在住していない場合でも、下記の条件を満たしていれば、受給資格を得られる可能性がある。

■申請書が承認される直前の年にカナダに在住していたこと。
■この10年間の前に、18歳以降でカナダにいない期間の合計の3倍の長さをカナダに在住していること。

[一部額の場合]
 上記の満額資格を有しない場合、一定の条件を満たせばOAS年金の一部が支給される。ただし、一度一部額が承認されてしまうとその金額が増額されることはない。計算の仕方は、18歳以降のカナダ在住年数が基準となる。1から40項目に期間が分けられており、例えば、18歳以降10年間カナダに在住している場合は、10項目分の年金、満額の約4分の1が受給できる。詳しい受給額を計算したい場合は、http://www1.servicecanada.gc.ca/en/isp/oas/oasrates.shtmlを参照。

受給開始の時期
 OASを受給する場合は、申請しなければならない。受給開始は、通常65歳の誕生日を迎えた月か、もしくは在住期間条件を満たした直後の月かどちらか早い方の月からとなる。65歳になった後に申請をした場合は、申請した月の分とそこからさかのぼって11カ月分まで支給される。

受給日
 通常、毎月末日より3日前(銀行営業日により変更する)に受け取ることができる。2008年の正確な受給日を知りたい場合はこちらを参照
http://www1.servicecanada.gc.ca/en/isp/common/paydates.shtml

受給方法
 受給方法は、通常政府より直接個人のカナダもしくはアメリカの銀行口座に振り込まれる。チェックによる受給も可能だが、直接振込の方が、遅れることなく受給できる、なくしたりすることがない、留守や病気などの場合でも自動的に振り込みされるなどのメリットが多い。

 直接振込には電話での申し込みが必要:その時に必要な情報は、個人を証明するものとしての、SIN、電話番号、現住所と金融機関情報として、金融機関名、支店名、口座番号となっている。

サービス・カナダ(Service Canada)とは?
 年金やSIN発行、労働関連などを扱っている連邦政府の人的資源・社会開発省の管轄機関サービス・カナダが年金受給の窓口となっている。

サービス・カナダの連絡先(カナダ・アメリカ国内のみ)
無料電話応対サービス番号(英語):1-800-277-9914、
月〜金、8:30am〜4:30pm(現地時間)SINが必要、
対話サービスを必要としない電話情報提供サービスは、同電話番号で24時間行われている。

海外からの問い合わせ
 カナダOAS年金への海外からの問い合わせ先は、その国のカナダ大使館、もしくは領事館に確認する。

郵送による問い合わせなど
 郵送先は、現住所に最も近い事務所に郵送する。海外からの場合は、最後に在住していたカナダの住所に近い事務所に郵送すること。

BC州・ユーコン準州在住者の郵送先
P.O. Box 1177, Victoria, British Columbia, CANADA V8W 2V2

サービス・カナダ事務所
 サービス・カナダの事務所で直接担当者と話をしたい場合は、各地のサービス・カナダ事務所で対応している。事務所は各市町村にある。所在地はウェブサイトで確認できる。

バンクーバーのサービス・カナダ事務所所在地
Sinclair Centre, Suite 415, 757 Hastings Street West, Vancouver, British Columbia, V6C1A1

(取材 三島直美)