SPECIAL 2008

2008年5月16日 第20号 掲載


好天に恵まれ、自己ベスト続出!
第37回 バンクーバー国際マラソン


本気のアスリートからお祭り気分の参加者まで、それぞれのペースで楽しむのがいい

スタンレーパークでは音楽隊が元気な演奏で応援

昨年に引き続き、トーマス・オムウェンガが優勝(2時間15分59秒)

沿道の人々の応援も温かい。犬も一緒に応援

女子優勝を決めたメリー・アコアの誇らしげな表情(2時間37分54秒)



 いよいよアウトドアシーズン幕開けのバンクーバー。5月4日には、恒例のバンクーバー国際マラソンが行われた。フル、ハーフ、チームリレー、8km、キッズ、それぞれのコースに参加した、ランナー、ウォーカー、車椅子での参加者は35カ国から総勢1万2815人。雨の中肌寒いレースとなった昨年とは一転、今年は澄み切った青空のもと、さわやかな天候でのレースとなり、自己ベストが次々に記録されるなど、たくさんのドラマが生まれたようだ。それではフルマラソン密着ルポをどうぞ!


7時30分、BCプレイス・スタジアム

 いよいよフルマラソンの始まりだ。コルドバストリートを抜け、シーウォールを通り、スタンレーパークへ続く道には、早くもたくさんの人々で埋め尽くされている。フルマラソンのランナーだけでなく、6時半にウォーカーズ・フル、7時にはハーフ、7時25分には車椅子のレースが先にスタートしており、途中までコースが同じなので通りもにぎやかだ。

 スタンレーパークの入り口では音楽隊が演奏し、音楽で選手たちを応援。ランナーたちは輝く新緑の中を次々に駆け抜けていく。朝早いというのに冷え込みがまったくなく、半袖で気持ちよく走れそうな温度だ。

 先回りしてイングリッシュベイへ向かう。ビーチを右手に、沿道のたくさんの人々の応援に見守られ、笑顔を見せながら走るランナーたち。おっと、パトカーがやってきた。どうやらフルマラソンの男子選手の先頭がやってきたようだ。来た、来た。大きな歓声とともに現れたのは、昨年の優勝者でもあるケニア出身のトーマス・オムウェンガ(米国)。目の前を疾走するそのスピードに驚く。これがマラソンのスピードなのか。記者の50メートルの全力疾走などよりはるかに速い。

 さて、走っているランナーの表情も素敵だが、沿道で応援する市民の人々の笑顔もまたすばらしい。「マ〜ム、がんばって〜!」と犬連れで家族を応援する姿もあれば、目の前のランナーひとりひとりに声をかける人々も多く、見ているだけで温かい気持ちになってくる。加えてこのバンクーバーマラソン、コースの眺めもすばらしい。スタンレーパーク、イングリッシュベイのあとは、バラードブリッジを渡り、キツラノ、ポイントグレイ・・・とバンクーバーを代表する最高のビューポイントの連続である。

 しばしイングリッシュベイで観戦を楽しんだあとは、今度はバスに乗ってゴールへ先回りし、ランナーたちのフィニッシュをとらえることにしよう。スタート地点と同じゴールのBCプレイスに着くと、ハーフを走り終えたランナーたちがどんどん引き上げていく。たくさんの人々が待つゴール地点にたどりつくと、な、なんと、さきほどイングリッシュベイを走っていたトーマス・オムウェンガら先頭集団はもうすでにゴールしていたのだった・・・。オムウェンガ選手は昨年のタイムを9分以上も更新し、今年も優勝を飾ったのであった。

ゴールを見逃し軽いショックを覚えつつ、しばらく待っていると、男性ランナーが10人ゴールを決めたあたりでざわめきがおき、女子のトップが駆け込んできた。昨年2位だったメリー・アコア(米国)だ。「2週間前のUSチャンピオンシップで落胆した分、自分の士気を高めようとこのマラソンに臨んだ」と語るその表情はとても輝いてみえた。

 トップランナーだけでなく、市民ランナーもたくさん参加しているこのマラソン。日本からの参加も見られた。好天のもと、今年は記録更新が次々と生まれたようだ。ノースバンクーバーに住む80歳の女性、ベティージーン・マックヒューグさんは、21キロのハーフマラソンに臨み、2時間4分19秒の記録を出し、この年齢での世界記録を塗り替えた。

 1972年に、たった72人のランナーでスタートしたこのバンクーバーマラソンが37回目を迎え、年齢や国籍もさまざまな人々に親しまれている様子に、青空のもと心躍る一日であった。


廣瀬愛理さん(神奈川県)
3時間28分07秒 
総合324位・年齢別5位

 「昨年12月、ホノルルマラソンで出会ったカナダ人カップルから誘われたのが縁で、参加しました。彼らと再会し、家に泊めてもらい、ともにこのマラソンに参加しています。今年で最後となる東京国際女子マラソンに出たいというのが目下の夢です」

原田和恵さん(バンクーバー)
3時間47分51秒 
総合763位

 「1ヶ月に1度、日本人のランナーグループRunning Smileで練習してきました。今日は走りながら、海、緑などあらためてバンクーバーのよさを再発見した感じです。来年は大学院で博士号を取得するためアメリカに行くので、ボストンマラソンに出たいですね」

佐藤恭子さん(静岡)
4時間25秒
総合1178位・年齢別1位

 「フルマラソン歴20年、66歳にして、66回目の記念すべきゴールとなりました。バンクーバーはヨットハーバーがあって、清水港の雰囲気とも似ていますね。街がきれいですばらしい環境ですね」

フルマラソン日本人男子1位
神田一紀さん(島根)
2時間55分28秒 
総合32位・年齢別10位

 「フルマラソン3回目で、初めてのバンクーバーマラソンでしたが、沿道の人々の応援がものすごくて、励みになって走りやすかったです。日本でのGWの時期と重なり、参加しやすい時期でよかったです」

末永卓也さん(静岡)
3時間02分50秒 
総合58位・年齢別13位

 「ホノルル、ギリシャ、ソウルなど過去のフルマラソンの経験は10回。スタンレーパークは木陰もあり、気持ちよく走らせてもらいました。途中音楽の演奏もあったり、明るく楽しいレースでした」

奥本正さん(青森)
3時間11分31秒 
総合113位・年齢別7位

 「5回目のバンクーバーマラソンで自己ベストが出せました。これまで雨ばっかりでしたが、今年は一番天気もよく、前半は調子のいい走りができました。2年前は日本人1位としてインタビューを受けたんですよ。今年58回目のフルマラソン、今後は100回目を目指します!」

尾島康宏さん(愛知)
3時間15分49秒 
総合154位

 「今回初の海外マラソン。日本と違ってマイル表示なので、どれだけ走っているのかよくわからず、気づいたら30km過ぎていたという感じです(笑)。景色が楽しめて、楽しく走れて自己ベストが出せました」

フルマラソン日本人女子1位
真柴和美さん(千葉) 
3時間19分32秒 
総合199位・年齢別4位

 「走りやすい天候で、自己ベストが出ました。ゆるやかなアップダウンが続いていますが、走りやすいコースなので、記録が出やすいのではないでしょうか。日本では同じ趣味の仲間と楽しく走っています」