MAPLE 2008

2008年7月24日 第30号 掲載
 

今年も会場はオッペンハイマー公園!
第32回パウエル祭 8月2日(土曜)、3日(日曜)開催


 バンクーバーの夏のイベントとして、毎年多くの人々が訪れるパウエル祭が8月2日、3日の2日間にわたって、パウエル街のオッペンハイマー公園で催される。太鼓の演奏からお神輿、相撲のトーナメントや祭り踊りまで、今年も盛りだくさんなプログラムが用意されている。食べ物の屋台はもちろん、アクセサリーから日本の古本まで、さまざまな品が並ぶブースも楽しみだ。また、ファイアーホール・シアターでは、日本で今、最も注目されているミュージシャンの1人、トクマルショーゴと、ロサンゼルスを中心に活躍しているミア・ドイ・トッドさんのジョイント・コンサートが行われる。


祭のハイライトはやっぱり御神輿

 

必見の「パウエル街歴史ツアー」


 日系移民100年祭をきっかけに始まったパウエル祭も、今年で32回目を迎える。会場となるオッペンハイマー公園は、日系人の歴史と深い関わりのあるパウエル街に面している。19世紀末から、パウエル街の周辺には多くの日系人たちが住み、製材工場で働く日系人の下宿から銭湯、名物の食堂まで、さまざまな店や住宅が並んでいた。しかし第二次大戦が始まると、日本人を祖先に持つ人は、カナダ生まれの国籍保持者も含め、全て内陸部に強制移動を命じられ、「日本町」としてのパウエル街はその歴史を閉じた。パウエル祭を主催する「パウエル祭協会」が、この公園での開催にこだわるのは、日系人ばかりでなく、全てのカナダ人にとって忘れてはならない場所だからだ。


日系人の歴史を語るパウエル街


 パウエル祭では、今年もさまざまなプログラムが用意されているが、見落とせないのは「パウエル街の歴史ツアー」だ。日本語または英語のガイドに連れられて、パウエル街を歩きながら、第二次大戦前の「日本町」のにぎわいから、現在も活動を続けるバンクーバー日本語学校や仏教会、そして今後の再開発の見通しなどをガイドしてもらえる。「日系人のアイデンティティ」や「日系社会の未来」、「カナダにおける人権問題」などに関心のある人には、特に興味深いツアーとなるだろう。

 

「誰にもできない音楽」を追求する注目のアーティスト


 今年のパフォーマンスで一番注目されているのは、2日の8時からファイアーホール・シアターで行われる、トクマルショーゴとミア・ドイ・トッドのコンサート(有料)。トクマルショーゴは、18歳でニューヨークに渡り、現地のインディーズレーベルからリリースした初アルバム『Night Piece』で、鮮烈なデビューを飾ったアーティストだ。ウクレレやアコースティックギターなどを中心に、録音の全てを自分一人で行うなど、「誰にもできない音楽」を追い求め、澄み切ったテナーの歌声も高い評価を受けている。


神秘的なほど美しいミア・ドイ・トッドの歌声


 共演するミア・ドイ・トッドは、ロサンゼルスを中心に活動している日系のシンガーソングライター。日本でもアルバム『The Golden State』がリリースされ、「混沌とした世界を浄化する神秘の歌声」と話題になっている。なお、オッペンハイマー公園のメインステージでは、トクマルショーゴ(3日1時半)とミア・ドイ・トッド(3日2時半)がそれぞれ単独でのパフォーマンスも行われる。

 

心躍る太鼓の聞き比べ


 パウエル祭といえば、太鼓の演奏を楽しみにしている人も多いだろう。今年もカタリ太鼓はもちろん、サワギ太鼓、友愛会琉球太鼓など、それぞれユニークなスタイルの太鼓を聞かせてくれる。特に聞き逃せないのは、子供たちのグループ「ちび太鼓」。体は小さくても、迫力は十分。真剣で、しかも楽しそうな子供たちの表情や動きに毎年大きな拍手が湧き上がる。


若い力にあふれたチビ太鼓の演奏


 和太鼓は日本各地で独特の音を生み出しているが、カナダの和太鼓もすでに40年近い歴史があり、「カナダで演奏される和太鼓」ではなく、「カナダならでは」のユニークな演奏スタイルと音を育んできた。それぞれのグループの音を聞き比べて見るのも、パウエル祭ならではの楽しみだ。

 

スイカ割りや相撲トーナメントに参加しよう


 パウエル祭では、参加型のプログラムもたくさんある。毎年大人気なのは、子供テントで行われるスイカ割り。残念ながら、子供だけしか参加できないが、見ている大人も大喜びだ。また、相撲トーナメントも毎年腕自慢の参加者が集まってくる。体の大きな人が有利とは限らないのが相撲のおもしろさ。応援するだけでもかなりエキサイティングだ。


応援するだけで楽しい相撲トーナメント


 お祭と言えば欠かせないのは御神輿。2日の3時半から御神輿が登場する。形は小さめだが、本格的な御輿だ。担いでみたい人は早めにインフォメーション・ブースに申し込もう。また、2日のプログラムの最後には、大きな輪になって炭坑節を踊る「祭踊り」を楽しみにしている人も多い。浴衣姿ならベストだが、ジーンズにTシャツでも、もちろん参加大歓迎だ。

 

帽子と日焼け止めは必携


 パウエル祭が行われる日は、カラリと晴れ上がる「祭り日和」になることが多い。会場には、シニアのためのテントなどが用意されるが、ほとんどのパフォーマンスは強い日差しの下で見ることになる。帽子やサングラス、日焼け止め、そして水は必携。公園のあちこちには木陰もあるので、芝生の上に敷く布やビニールシートなどを持って行くのもおすすめだ。

 強い日差しに疲れたら、アレキサンダー通りのバンクーバー日本語学校で、裏千家の社中による茶道のお手前が行われる(3日のみ)ので、お抹茶をいただきながら一休みしてはいかが?また、ファイアーホール・シアターでは、日系の映像作家の作品上映や、バンクーバー日系ストーリーテラーズによる物語の語り聞かせなども行われる。

 

環境にやさしい「祭」を目指す!


 今年のパウエル祭の大きなテーマは“Zero-Waste Challenge!”。会場内で売られる食べ物は全てコンポストとして堆肥化し、コップや皿などもリサイクル可能なもの以外は使用できない。これにより、パウエル祭を催すことによって公園や周囲の環境に与える悪影響を最小に押さえようというのだ。パウエル祭の開催を告知するハガキにも「このハガキはしおりなどとして再利用してください」と書かれているほどだ。しかし、ゴミの分別を徹底するのは簡単ではあるまい。そこが「チャレンジ」ということなのだろう。ぜひ皆で協力して、環境にやさしい祭りを盛り上げていきたい。


(取材 宮田麻未 写真協力 パウエル祭協会)


●パウエル祭に関する詳しい情報は www.powellstreetfestival.com か、電話604-739-9388へ。

 

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