MAPLE 2008

2008年7月17日 第29号 掲載
 

『先住民の祭典、パウワウに行こう!』


 BC州内陸部のトンプソン・シュスワップ地域では夏季にそれぞれの部族によるパウワウが催される。元々は先住民の集い全体を指してパウワウと呼んでいたのだが、現在では先住民族特有の祭りを意味する。一般的にパウワウでは先住民もそれ以外の人々も屋外円形演舞場に集まり、ドラム、踊り、歌などを楽しむ。また、昔の調理法で焼かれた肉や鮭などの食べ物が饗されることもある。記者が訪ねた部族のパウワウは小規模で無料だったが、大規模なものは入場料を払って見学することになる。

 


手に手を携えて踊る人々

 開会はその部族のチーフによる挨拶と祈りの言葉によって始まり、年長者であるエルダーが参加し屋外円形演舞場内を行進する。数名が大きなドラムを囲んでリズムを刻み、ステップを踏みながら数周回るのだ。

 パウワウにはダンスがつきもの。それぞれの部族が伝統的衣装を纏い、さまざまなダンスを繰り広げた。男女は別れてそれぞれの踊りをするのが特徴的だ。

 男性の踊りでは、伝統的な“トラディショナル・ダンス”が最も一般的で、戦う者の踊りと呼ばれている。


ファンシー・ダンサーの雄姿

 羽飾りが豪華な“ファンシー・ダンス”または、“ファンシー・フェザー・ダンス”は元々、青年の踊りだが、年を取ってからもずっと踊り続けるダンサーもいる。細かく震えたり、小さくステップを踏み鳴らしたりと見応えたっぷり。

 その昔、パウワウの前に芝を均す動作から発達した “グラス・ダンス”もある。


飾りをつけたファンシー・ダンサーの後姿


 女性の踊りのハイライトは、肩から大きな蝶の羽に見立てたショールを纏って踊る“ファンシー・ショール・ダンス”。動作が緩慢な伝統的な踊りと違い、早いピッチでくるくると回りながら少女たちが踊っている様子は、まさに蝶の舞を見ているようだ。
 


若い女性が纏っているジングル・ドレス

 同じく若い女性が小さい円すい形のベルがたくさん縫い付けられた“ジングル・ドレス”で登場すると会場がざわめいた。このドレスは“屋根に雨があたる音”がすると語り継がれ、半死半生の年配者が夢でメディソン・ドレスを見たことから儀式などに登場するようになったもの。


ショールを翻して踊る少女たち

 先住民も見学者も一緒に踊る“フレンドシップ・サークル”は、人々が横列になって歩きながら二重円を描き、右に進みながら自分の目の前の人と握手を交わしていくというもの。これを踊ると、自分もパウワウに参加しているのだ、という気持ちが湧き上がってきた。

 会場内では伝統的な調理法でサーモンを焼いており、子供たちは火を囲んで焼き上がりを待っていた。その他に野菜やパンなどの用意もされており、希望者には安価で食事が提供されていた。場所によっては揚げパンのようなバノックやニガ瓜のジュースのようなものなどを販売している。


伝統的な調理法で肉や鮭をグリルする

 


 

これからのパウワウの予定


スウィズマルフ(Switzmalph)・カルチャル・デー&パウワウ
開催日:7月21日(月)13:00〜19:00
開催場所:3281 1st Ave SW, Salmon Arm, British Columbia
連絡先:250-803-0395
 シュスワップ地域で先住民とそれ以外の民族の橋渡しとして独自の言語と文化を教えたマリー・トーマスの遺志を受け継いで完成したシュスワップ・センター。この日はこのセンターの周りでパウワウ、アーチェリー、ビレッジのツアーが催されるほか売店やサーモンとバノックの食事も用意される。
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カムループス・パウワウ2008:The Kamloops Pow Wow
開催日:8月1日(金)〜8月3日(日)
開催場所:TK'EMLUPS Indian Band:
200-355 Yellowhead Highway, Kamloops, British Columbia
連絡先:250-828-9782
Email : powwow@kib.ca
http://www.kib.ca/powwow.htm
 このトンプソン川渓谷地域はシュスワップ先住民が最初に住んだ土地であり、このイベント、カムループス・パウワウは、西カナダの先住民文化の祭典の最大級の規模を誇るお祭りのひとつ。伝承話、歌、ダンスなど彼らの独自の文化に触れるチャンスである。
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 ▼こちらはシュスワップより北西のカリブー地域でのパウワウ情報。
ボナパート(Bonaparte)・トラディショナル・パウワウ
開催日:8月8日(金)〜8月10日(日)、連日12:00〜
開催場所: Historic Hat Creek Ranch: Highway 97 と 99のジャンクションより11 km 北。
連絡先:250-457-9624
 このパウワウにはドラマー、ダンサー、そして、シンガーが色鮮やかな衣装で自らの文化を祝うために参加する。一般客も参加できるダンス、手作りの良さを実感できるクラフト、そして選別された先住民族料理を提供する。



 パウワウはイベントのタイム・スケジュールを入手するのが困難なことが多いので、カメラを携えて長時間会場に滞在する覚悟で、日焼け止め、帽子、サングラス、水など炎天下対応の用意をして臨みたい。

(取材 北風かんな)